La、Li、Lu、Le 令和

 四月一日の新元号発表をテレビで見た。
 あちこち回して、結局、落ち着いたのはKBS京都。
 他局がみな、発表された情報をすぐにでかでかと画面の下や上に貼り付
けるのが目にうるさい中、そういうのがほとんどなく、情報発信の王道に
徹しているように見えたのが京都放送だったのだ。
 発表前の会場も、入り口を大写しにして待ち構えるのではなく、後ろか
ら会場全体を写して、記者達がいる雰囲気を伝えてくれた。
 要は、演出で過剰に盛り上げようとする魂胆がなかったわけで、ローカ
ル放送って意外といいもんなんだなあ。発見である。
 もちろん、これは私の個人的な感想だ。
 なんにせよ、個人の趣味でいろいろ選ばせてもらえるのは、ありがたい
ことである。
「令和」の発音はご自由に、というのも同じ。
 まあ、このおおらかさがないと日本語は成り立たないのだが。
 日本語の単語にはアクセントがある。一応。
 一応と言うしかないのは、たとえば、朝日、毎日という単語で検証して
みるといい。
 個々の単語にアクセントがあるが、このあとに「新聞」という単語を付
け加えると、アクセントが変わる。「新聞」もそう。単語と単語を繋げる
と、個々の単語のアクセントが変わる。
 規則ってあるのかなあ。
 日本人は間違いなくできているけど。
 なんか雅楽に似ている気がする。
 日本人なみの正しいイントネーションを獲得した外国人を尊敬せずには
いられない。
 ところで、「令和」のローマ字表記は、そうなるんだろうな、と予感し
ていたが、残念だ。
「令和」の初めの子音がローマ字が制定されて以来のRだと、日本語発音
から大きくかけ離れて、令和と発音されているようには聞こえない。英語
もそうだが、フランス語で発音されたら、きっと、ほとんど理解できない
だろう。
 口と舌の形から、日本語のラ行はLに近いことはわかっている。
 それを、敢えてRにしたのは、Lの小文字のlがiの大文字のIと紛ら
わしくて、間違えないようにという配慮だったのかも、と想像したりする
が、ラ行をRで書くせいで、外国人による発音は絶対的に日本語のラ行か
らほど遠くなる。
 一方、日本人は日本人で、Rでラ行を表わすから、RとLを同じ音だと
思い込んでしまう人も出てくるのではないか。
 小学生から英語、と言うことは、正しい発音を推奨したいんだろう。
 ならば、発音の観点から、ローマ字のラ行をLに変えるのがまず手始め
だと思うのだが。