プロポーズ後も二股

 今回も、前回書いたことの補足から始める。
 私はコーヒーはインスタント、自分でも理由はわからないが、と書いた
けれど、本当はわかっている。
 本格的なコーヒーが飲みたくなったら、イタリアのILSA(イルサ)で淹
れるエスプレッソコーヒー
 パリに住んでいた時、「今後作られるのは三人用が最低容量になります」
とデパートの店員に言われ、目の前の二人用が貴重に思えて買い、長年愛
用してきた。
 ガスコンロの三つのコンロのうち、真ん中に丸い突起の安全装置がつい
ているのは一つだけで、残る二つは旧式。うち一つは直径が小さく、この
直火式エスプレッソメーカーに最適だった。
 ところが、ガスコンロを買い換えたら、すべてに温度センサーがついて
いて、イルサでコーヒーを淹れられなくなったのだ。
 コンロの上に網をのせて魚を焼くこともできない。
 進化というより、家庭用コンロは、そのせいで火事が起こらないことを
第一義に製造されているんだ、と学ばされた。
 さて、オードリーの春日である。
 テレビをつけたら彼がプロポーズをする番組で、最後まで見てしまった
が、彼のプロポーズの手紙には感激させられた。
 ところが、後日、写真週刊誌に、プロポーズの十日前ぐらいに彼が金髪
美女を自宅に連れ込んでいた、との記事。
 春日は、テレビの企画で無茶を強いられても真摯に取り組み、着実に成
果をあげる姿が眩しかったが、そのストイックさは仕事の時だけで、女性
関係は正反対だったのか。
 私は、二股、三股の付き合いを悪いとは思っていない。自分に一番合う
人を探し求めるならば、それもあり得よう。
 実際、結婚相談所で知り合い結婚した友の夫は、入会して初めて友と出
会い、結婚する気になったが、相談員から、友以外の女性会員とも付き合
ってみたらいい、と勧められたそうな。
 でも、この人と結婚する、と決めたのに、切った相手と会い続けるのっ
て、一体、どういう精神なんだろう。
「結婚で何かが変わってしまうのが怖かったんです」
 この言葉を、私は、私の理解の仕方で受け止め、共感していたが、彼は、
単に、結婚後は不倫として批難される不自由さに腰が引けていたのか。
「自分のことしか考えてこなかったんです」
 って、終わった話じゃないよね。
 最低。
 結婚後も別れた相手と縁を切らない人達の精神。
 私には想像がつかないが、春日なら、明晰に自己分析して解説できるの
ではないか。
 ねえ、教えて。