仕方なく、も悪くない

 文章と表の作成はずっとマイクロソフトMac用Officeを使っている。
 だが、バージョンが上がると、古いバージョンで作ったのは書体も書式
もグジャグジャになるし、もっと時が経つと古すぎるのは文字化けして保
存した意味をなさなくなる日が来る、という衝撃の体験をして以来、新し
いOfficeにすると、古いバージョンからのコピペ修正作業を余儀なくされ
ている。
 同じメーカーの同じ製品なのに、なぜ。
 せめて一人の人生が終わるまでの期間はこんな手間なしで保存文書を使
えるようにしてほしいと願うが、紙だと、ただ保管していればいいので楽
だが、紙の虫とか場所が足りない、という別の問題に直面して、どこかの
時点で不要な物を捨てることになるだろう。
 どんどんためこんでしまえるパソコンではあるけれど、時々、中身を整
理すべきで、Officeを買い換えた時にそうすればいいのかも。 
 でも、一気にするのは時間がかかる。やっぱり、こまめの整理や断捨離
が大切かなあ。
 などと思いつつ、ワード、エクセルに対応するMacのアプリを使ってみ
た。
 私がインターネット上にアップしているこの文章は「はてなダイアリー
だが、春までに「はてなブログ」に移行せねばならぬ。
 ブログには縦書きがあるようなので、嬉しい。
 ニホン語研究か何かの第一人者が「ニホン語が横書きになってしまった
ら、ニホン語が根底から変わってしまう」というようなことを発言してい
たが、同感である。
 横書きの小説は読みづらい。漫画の吹き出しの横書きも然り。同じこと
が書いてあっても、脳への届き方が違う気がする。
 MacのPagesは縦書きはできないらしい。が、縦書きにするなら、まず
は私のブログの本文の前と後ろの定型部分を作り直さねばならないと気が
ついて、意欲がちょっと後退しかけている。
 一方、MacのNumbersは、ワードだと図や表をはめ込む作業がうまくい
かないのに、感覚ですらっと使いこなせて、びっくり。
 私は、この手の分野は苦手で、できれば馴染んだものを使い続けたい方
だが、ワード、エクセル依存しかないのか、と天を仰いだら、依存脱却の
方法を知り、不安ながらも足を踏み入れてみると、存外新鮮で、知的好奇
心を刺激された。
 人間で良かったなあ。
 だって、もし私が蝶なら、空を飛ぶのを怖いと思い、羽化を前に羽化を
しぶり、望んで羽化に失敗したがる駄目なさなぎになっていたのではない
か。