寝すぎる

 雨の音がする。
 朝から本降り。
 だが、七時半に目が覚めたのは、雨の音に起こされたからではない。
 私は、大抵、六時から七時のあいだに目が覚める。
 でも、起きても寒いし、そのまま起きたら睡眠時間が足りなくて一日を
棒に振ると思い、トイレから戻ると、二度寝していた。
 今はそのまま起き出す。
 春になったのだ。
 今日は、私に必須の七時間睡眠は確保した。
 だから、一日中、頭脳明晰。
 と思っていたら、起きてしばらくしたら、もう眠い。
 七時間睡眠でも足りないのだろうか。
 週末に八時間、九時間寝ることがあるのは、そのせいか。
 先週は、昼間、抗いようのない睡魔に屈して机に突っ伏し、三十分ほど
寝た。
 なんでこんなに寝るんだ、私。
 だって、時間を無駄にしている。
 そう思うのは、毎日三時間ぐらいの睡眠だと言う人や、仕事をしながら
子育て中とか子供が寝静まってから資格取得の勉強とかで、やっぱり毎日
三時間睡眠、という人の言葉を聞き知るからだ。
 知らなきゃ、比べない。
 知ることの悪い側面である。
 ところで、私は、眠たいと食べる。
 普段は、起きた時に空腹感があっても、紅茶をたっぷり飲むと、それで
胃が落ち着く。それで駄目なら、バナナを食べ、チーズをひと切れ。
 ところが今朝は、さらに白いご飯を食べ、デコボンを丸一つ。しばらく
して、コーヒーを何杯か飲み、小分けのチョコレートを幾つも食べた。
 焼きそばを作り、昼に少し、残りの大半は夕食のメインにと考えていた
のに、昼、ほとんど食べてしまった。
 それでも続く眠気。
 週末には、たががはずれるのか。
 先日、帰ってきたらテレビで占いの番組をやっていて、占い師が芸能人
に、
「あなた、よく寝るでしょう」
 というようなことを言い、言われた本人は当たっているとキャハキャハ
嬌声をあげていた。
 この占い師の本を立ち読みしたことがあるが、よく寝る、なんていう占
い結果が出る分類タイプはなかった。対面の占いとは別物なのかもしれな
い。
 ただ、よく寝る人、と診断される場面を見たことで、そういう人がいる
んだ、私もそうかも、と思えた。
 じゃあ、どうする。
 これからは、朝、外の気配にますます早く目が覚めるだろう。
 帰宅が遅くて、それに比して寝るのが後ろにズレるのを、意志の力でな
んとかできるか。なんとかしよう。
 その初日にすべき今日、夜になってようやく頭がすっきりする予感がし
ている。
 チョコレートを二箱食べきった。