時の人、宮迫博之

 十七日に雨上がり決死隊の解散報告会の放送を見た。
 出演者の誰もが本音で思いを語る中、宮迫博之だけは二年ぶりのアメト
ーークで懐かしいとか、最後まで軽薄に見えて、違和感があった。
 が、一番違和感だったのは彼の顔。
 加工修正したプリクラ写真みたい。
 けれども、彼が、蛍原は「たまに、すごいつらそうな顔をする。こんな
におじいちゃんやったっけという表情をする。それを見て、とんでもない
つらい思いをさせているんだなと思った」と言った時、整形した自分はお
じいちゃん顔にならないけどね、と蛍原にさらっと嫌味を言ったように聞
こえた。
 だって、言うかなあ。相方を「おじいちゃん」って。
 私は、宮迫が整形することを彼の動画のサムネイルで知っていたし、中
年になった男芸人達を見ると、いくら話が面白くてもテレビに出るなら容
姿をなんとかして、と視聴者の傲慢で思うことはあった。
 その考えが改まった。
 年相応こそ麗し。
 それにしても、宮迫は、なぜ、このタイミングで整形したのか。
 当ててきたんだろうな。
 報告会の日から逆算して、六月に手術。
 すると、彼のYouTubeデビューの日が田村亮の復帰会見を邪魔するタイ
ミングだったのも、敢えてそうした、と確信することになる。
 この件に関して、彼は、報告会の翌日の動画の中で、コラボ相手の都合
を言い訳にしてきたと反省を述べたが、その際に選んだ言葉が大げさだっ
た。
 コラボ相手に「ちゃんと土下座して本気で謝ってお願いしたら、ずらす
ことができたと思います」
 土下座・・・。
 芝居がかって、嘘っぽい。
 でも、私のように受け止める人は多くないかも。
 人は誠心誠意心のままを語っても、誤解されることがある。
 だから、気にするな。
 言葉遣いも気にしなくていい。
 言葉は、その人自身。
 口から出てくる言葉は自分自身だと胸を張っていればいい。
「心にもないこと」をずっと言い続けられる人間はいないのだ。
 ところで、宮迫が、解散報告会の二日後に自身のチャンネルで謝罪動画
を配信したのは、深い話はこっちでするという挑戦的な態度に見えた。
 それほどの内容ではなかったけれど、この世界で生きていくという覚悟
の表われだと思うと、評価できた。
 ところが、翌日、動画の配信停止を発表するから、訳がわからない。
 東野幸治が今後しばらくは一般人もこの件に参入してくるだろうと予見
していたからではないが、今日はその一人になってみた。