嫌がらせ広告

 いつ頃からか、広告が美しくなくなった。
 テレビ広告、新聞広告。
 視聴者や購読者が高齢化し、そういう対象層に売れる商品は、なくても
いいけどあったら心がときめく、という華やかさとはそもそも無縁。
 だとしても、大手の媒体の広告は、アートにも通じる映像、画像だった
らなあ。
 先日、新聞の全面に梅沢富美男の顔が大写しの広告が出た。顔をしかめ
て、指を口に突っ込んで。
 何これ・・・。
 テレビで動いている彼を見ている分には別に嫌いではなかったけど。
 こういう広告に出たら自分の名に傷がつく、とは思わなかったのだろう
か。
 一度見ただけでも嫌な気分になるのだから、何度も出現する不愉快なイ
ンターネット広告にはさらに心が汚される。
 見たくないからバツ印を押すと、グーグル発信の広告であると表示が出
て、「この広告の表示を停止」が押せるようになっているから、押す。
 三つか四つ選べる画面に切り替わるので、
「広告のコンテンツが不適切」
 を選択。
「今後その広告を表示しないようにします」
 と変な日本語が出る。
「この広告」が正しいんだよ。
Googleはこの広告の表示を停止しました」
 という文章の場合もある。
 けど、そのホームページの次のページを見たら、また、その広告。
 また、バツ印を押す。
 いたちごっこ
 一度だけ、アダルトビデオ系のが出たことがあるが、多いのは目の下の
クマを指差している老人。そのクマの上に三角形の目印を付けた、さらに
過激なバージョンのもある。
 若い女の子のクマは、画像処理技術で作成したのだろう。
 三歳ぐらいの子供に長い睫毛を付けさせた気持ち悪いのもある。
 今は、男が口を大きく開けて汚い口の中を見せ、上の歯だけ異様に白い
広告が続いている。
 そのページを見なければ、こういう広告を見させられなくて済む、とい
う誘導の仕方で、そのページへの来訪者を減らしたいのか。
 単に人を嫌な気分にしたいのか。
 そう思うのは、これがターゲティング広告だとしたら、私はこの手の商
品を閲覧したことがないからだ。
 幸い、日本将棋連盟のホームページから、ようやくこの手の広告が消え
た。
小柳ルミ子が暴露、〈~~色の歯は洗面所のあれで磨いて〉九割が知ら
ない裏技を暴露」
 は、小柳ルミ子の箇所が「伊藤家の裏技を暴露」に変わった。
 が、
仲里依紗の裏技」
 というのもある。
 「裏技」という言葉に引っかかると思われているのかなあ。