先延ばしする癖

「喉元過ぎれば熱さを忘れる」
 ちゃんと解決したら忘れて当然、ということだ。
 でも、私は「解決していないけど、とりあえず保留」の状態になっても、
そうなる。
 去年の年末。
 印刷ができなくなった。
 レーザープリンターのトナーはなくなりかけていた。
 でも、年賀状を印刷できた。
 その途中で印刷が掠れたら、私はすぐに買いに走っただろう。
 なんだか賭けを楽しんでいるみたいな私だなあ。
 でも、印刷できなくなったのは、トナーのせいではない。
 カセットに入れたA四用紙で印刷しようとして印刷ボタンを押したら、
黄色や緑が点滅して、そのままになる。
 過去にメーカーの相談室に電話した際のやりとりから、こういう時はま
ずこうする、というのを学んでいたので、やってみるも変化なし。
 電話相談が長期休暇に入る前日である。
 ぎりぎりで間に合ったから運が良い、と言うべきなんだろうけど、なん
でこんなぎりぎりで、と胃が痛い。いや、胃は健康なんだけど。
 電話をしたら、回線が混み合っているという案内。
 ほうらね、最後まで気を抜いてはいけないのだ。
 昼前でお腹が空いていた私は、チーズをひと口食べてから電話が繋がる
まで頑張ろうと思うが、食べに立つ時間が惜しい。
 朝、書類を作って印刷し郵便局から送るという予定が大幅に狂い、今日
中に間に合うのか。
 幸い、何度かかけ直したら電話は繋がった。
 まずすべきことを指示されたのは、すでに私がやってみたこと。
 次に、少し待ってくれ、調べるから、と言われ、無音の受話器に向かう
こと二度、三度。
 そのあいだに、ふと、年賀状同様、手差しなら印刷できるのではないか
と閃き、やったら、できた。
 とりあえず、その日の目的は達成できる。
 電話口に戻ってきた担当者にそう告げた。
 担当者からは、その現象だと出張修理でしか直せないと言われる。
 新品を買うより高くつくので、即、却下。
 パソコン関連については、私は迷わないのだ。
 が、その状態で今に至っている。
 手差し印刷で間に合っているし、まだトナーは寿命が尽きていないから。
 嫌な事はもちろん、嫌な事でなくても先延ばしにする癖はまずい。
 でも、直らないのは、直す気がないからかもしれない。
 だって、先日も、連絡しそびれていたと気づいたけれど、すぐ知らせな
くてもいいので気にかけるだけにしていたら、郵便物が来て、私はちゃん
と連絡していたことが判明したのだ。