Messenger メッセンジャー

 先週、フランスの友人と電話したら、私を紹介してほしいと頼まれたと言
う。
 彼女は、観光がてら歩く会に時折参加している。誰かがその日に歩くルー
トをインターネットに上げると、参加したい人が集合場所に集まるのだ。彼
女は、その時初めて出会った人と歩きながら世間話をする中、私のことにも
触れたら、それを聞いていたのが今度一人で三週間日本を旅行するという人
だったらしい。
 私は了承し、早速その人からメールが来て、どうせなら電話のほうが話が
早いからWhatsAppで電話しようと言われる。
 ヨーロッパはWhatsAppが主流なのだ。私はスマートフォンを使ってい
ないので対応できない。SkypeかMessengerを提案。
 ただ、私は友人とはMessengerを使っている。Skypeだと彼女の側で私
の声が聞こえないという不具合が発生するからで、そう書いたら、その人も
Messengerを使えるようにしてくれた。
 アカウントは書いていない。
 普段の私ならまず確かめるが、私がそこまで気を回さなくても、間違った
ら間違った時のこと、と危うい大胆さに身を任せたくなった。
 幸い、Messenger上で相手のフルネームで見つかるのは一人だったので、
Bonjour
 と書いて送り、その旨、報告。
「こんにちは」しか書かなかったのは、万一、人違いだった場合の用心であ
る。
 すると、自分のアカウントはこうでアイコンはひなげしの花、と情報がも
たらされる。
 それをもとに再度調べたら該当者は一人なので、安心して、
Bonjour
 すぐにメールで報告。
 ただ、Messengerのもともとの母体であったFacebook上だと、同じア
カウントの人がもう一人いる。しかも、そのアイコンはひなげし花が大きく
一輪。
 もしかしてこれですかと聞いたら、それだという返信。
 私は無関係の相手二人に「こんにちは」とメッセージを送ったんだ。
 三度目の正直で、ようやく正しい相手に、
Bonjour
 ところが、私からのメッセージが見つからないという返信。
 でも、約束した日時に電話はできるだろう、と楽観の言葉。
 続いて、
「私を見つけるためにあなたがしてくれた努力のすべてに感謝です」
 この言葉に深い意味はない。というか、素直にそう思い、そう書いてくれ
た。
 なのに、敢えてそう言われたら、解決してもらってから感謝すれば済む人
は気楽で良いなあと思ってしまう私は捻くれているだろうか。