マンションを購入して、親子三人の新生活が始まった友。
決めたら一直線に目標達成。
今回もそうだったね、感心させられました、とメールした。
なんせ、彼女は、二年前、生まれて三ヶ月の子供を置いて夫婦で台湾
旅行に行ったし、その三ヶ月後も夫婦で熱海旅行。
どちらも直前に思い立った旅だったそうで、これが行動力でなくて何
が行動力になるだろう。
ところが、彼女は、
「決断の場面でいつも迷う。なんでこんなに自信がないんだろう。やっ
ぱり評価にさらされて、それに応えようとして生きてきたんだなあ」
と書いてきた。
マンション購入に際し、友達のライフプランナーに助けられてなんと
かなった、という一文から察するに、持ち家購入という大きな決断の場
面では、さすがにいつものイケイケで大丈夫か、と腰が引けたのかもし
れない。
ただ、星占いで、運動、不動、柔軟宮の三つに区分される柔軟宮に彼
女の星の半数が入っているので、
「揺らぐ、ふらふらする、というのは、そういう生まれだということで
納得してしまうこともできそうだけど」
と私は返信。
そして、うちの母を思った。
母親は、今、こうする、と言ったのに、五分と経たずに正反対のこと
を言い出すことが多くて、優柔不断にもほどがある、と私は毎回いらい
ら。
そこで先手を打って少しあとに最確認すると、怒り出す。
じゃあ、一度言った意見を貫くのよねと、そのつもりでいると、
「あ、やっぱり・・・」
と言い出す。
母は、友達何人かとランチをする時には、みなの注文に右に倣えをす
るそうで、それというのも、自分だけ違った物を頼んで、持ってきても
らう時間がずれたらみなに迷惑をかける、という発想がすでに私の理解
を超える意味不明だが、二つあるケーキのどっちにする、というような
たわいのない質問に対してすら、「どっちでもいい」とか「あんたが決
めて」と言って、なかなか考えを言わない。
「お茶、飲む?」
と聞いたら、
「どっちでもいいけど。あんたが淹れるんやったら・・・」
あのさあ。
「はい」か「いいえ」のシンプルな答えはできませんかね。
言い切ることにそんなにも抵抗があるんですか。
一体何を怖れているの。
そう言いたくなる、と書いたら、友から、
「お母さんの言い回し、すごくよくわかる」
と返事が来た。
えー。私は全然わからないよォ。
わかりたくない私は引かないから、母は近頃、
「じゃあ、淹れてもらおか」
と言うようになった。
成長。
いや、母にとってはそうではないかも。