2005-01-01から1年間の記事一覧

本質的相性

誰もまだ風邪など引き込まないはずの11月に風邪を引き、それが治 りかけたと思ったら、また風邪を引き、数あった祝日を、どれも堪能で きずに終わった。 いくら今年は風邪の流行が早いにしても、あんまりだ。 私って、そんなにひ弱だったのだろうか。 その…

初鳴き

10月に入手したレモンカナリア。名前を「ピー」と言う。関西弁で 「歯」を「ハァ」と上から下に音階を下げるのと同じ感じで「ピィ」と 発音する。 母に名前を付ける栄光を託したのだが、明確な“命名”ではないもの の、「これはカナリヤと違う。猫や」との…

もらい上手?

去年申し訳に一度しか着なかった黒のダウンコートを、毎日着ている。 お気に入りのラベンダー色のはハーフ丈なので、膝が寒いのだ。 恭子さんに見てほしいなあ。 恭子さんはマンションの最上階に住む女性で、会社経営者だった旦那 と死に別れ、ここが建って…

昼の仲間

この寒さでは、さぞかしハゲの人は辛かろう、と感じるほどに寒い。 ウサギの毛のボレロ風ジャケットを買った。 丈は背中のまんなかあたりしかなく、袖は半袖。まさに「今年!」の スタイルである。それを職場の女性に褒められた。 彼女は、一年ほど前、同僚…

図太い精神で

同じ部内の男性に関して、事務手続き上、上司の印鑑をもらわなけれ ばならない書類が発生した。私が上司の機嫌の良さそうな時を見計らっ て持ってくと、本人を呼べ、と言う。 で、本人にそう言ったら、「えーっ」と言い、「うーん」と唸る。 その書類に判子…

今日の思索

手近に読む物がないとなったら奥付けのようなどうでもいいものでも 読まずにいられない自分は活字人間だ、と知り合いが自身を評価した。 私の場合、自分にとって読むに値するものしか読まないので、同類に はならないだろう。ただし、原作の映画化・テレビド…

やっぱり「悪意」…かなあ

私は夏より冬が好き。厳密には雪景色とスキーが好き。 ところが、私がスキーをすると言ったら、「あ、私、寒いの嫌い」と 言下に言い放った者がいた。「スキーなんてとんでもない」。 幸い、彼女は私の友達ではなかった。 「幸い」と言うのは、相手の話や分…

時を止められるなら、何歳?

知り合いに占い結果として、「中年期はうんぬんかんぬん」と告げる と、中年期とはいつぞやと問い返され、三十過ぎと答えたら、いたくシ ョックを受けられた。 平均寿命が延びようが、食糧事情がよくなり、いつまでも張りのある お肌を保てる時代になろうが…

菊人形考

大阪、枚方(ひらかた)市の遊園地、ひらかたパークで96年間続い た「ひらかた大菊人形」展が12月4日をもって閉幕となる。最大の理 由は菊師の後継者難だと言うけれど、どうだかなあ。 昔から一度すたれたら二度と復元できないと言われる高度な伝統技術…

心の自由。その責任

昔、入院した時、会社の上司が見舞いに来てくれるというのでシェー クスピアの本を頼んだら、ただ安静にするのが目的でも、入院させられ るだけあり、暇はあっても字を追うだけの気力が出なかった。 そこへいくと、風邪は鼻水たらしていようが咳き込もうが軽…

トラックボールとか

母がパソコン教室なるものを見つけたと言い、結構なレッスン料を取 られるけれど習いにいこうかなあと言う。 え。パソコンも持っていないのに習いたいって。だが、芽生えた学習 意欲をそぐことはない。「だったら、私が教えてあげる」 すると「携帯の使い方…

誰のためにもならなかった

人はどうして風邪を引くのだろう。 忘れもしない先週の火曜日----って、忘れるには近すぎる過去ではあ るが、まだ誰も本格的なコートなんか着ていない中、ダウンコートを着 て、その下には、これまた人に先んじ、薄手ではあるが100%ウール のセーターと…

みんな、飲んでるかい?!

ボージョレー・ヌーボー解禁の日が来た。遠い異国の風習が、なぜか日 本に飛び火してお祭り騒ぎ。私も便乗してみようと思い立ったのはおとと しであったか。 折しも解禁日の直前、テレビのニュースで特集をしていた。そういう話 題がニュースにのぼるとはな…

アガサとタリウム

久しぶりにアガサ・クリスティーの本を読んだ。本当は、他にも図書 館から借りている本があり、返却日を考えれば、そちらから片付けるべ きなのだが、ちらっと最初の数ページを読むと、そのまま最後まで読ん でしまった。 彼女の作品にも出来の優劣はあるだ…

減点主義は不幸

グレーのモヘアのベストが白いシャツに良く映え、素敵だったので、 そう言ったら、「ユニクロなんだけど」と言われた。去年、やはりモヘ アタッチのオレンジの服を褒めたら、その相手も「だけど、ユニクロ」 と答えたっけ。 これが小物だったら、「でも、こ…

言霊(ことだま)はある

Could you pass me the red one? もし、これが英訳の答えであったなら、red oneのもとの日本語は「赤 いやつ」だったはず。 ところが、この言葉が私の口から出てくるたび、行きつけの医者から 「汚いからやめなさい」と注意を受ける。 そう言えば、以前は「…

新しい時間割

これまで私が早起きだった最大の原因はインターネット接続がダイヤ ル回線だったことにある。 パリに住んでいた時は、管理人が9時頃から廊下にガーガー掃除機を かける音を、もしかして私に対するわざとらしい嫌味?と勘繰りつつ、 それを目覚まし代わりに…

プラスマイナス0

パリで、中で断線した変換アダプターを捨て値で売りつけた記憶が正 しかったかどうか、当時の帰国売り一覧で確かめてみたら、日本円にし て約1,000円で売っていた。安いと言っていいのかなあ……。 売りさばいた中で一番安かったのは茶漉しの40円。 次が2個80…

パリ懺悔(ざんげ)

馴染みの店で支払いをしていると、隣の店員がショーウィンドーの上 でアダプターを見せつつ、外人客に「normal」と言っている。しかし、 自分自身の英語をまどろっこしく感じているようなのと、客が「in France」と答えるのが聞こえたので、商品を受け取って…

フランスがいい!

パリにいた時、役所の事務手続きは最低3回通わないとうまくいかない と聞いていて、実際、そのとおりだった。 TGV(新幹線)のペアチケットで旅行をし、帰りの列車を予約より早 めようと窓口に並んだら、「それはできないのが条件」と突っぱねられた が…

野菜も半加工食品だったのね

列車の外を流れる景色。山々の中にぽつんと柿の木があると、その実 の柿色は周囲から浮き出る存在感で、切り絵作家・滝平二郎が描いたよ うな昔の里山暮らしとまったく無縁の人生であっても、ああ、日本の秋 が来た、としみじみ懐かしく感じるから不思議であ…

視力の功罪

仕事を終えて帰る道中、向こうから職場の人がやって来ると言った。 「私の眼鏡は度数が低いので、気がつかないで通り過ぎることも多い の。でも、悪気があってそうしているのではないから、そういう時は 許してね」 「え、私もそうなんですよ!」 私は、裸眼…

車中風景

フラフープを持って電車に乗った。なるべく人の邪魔にならぬよう、 連結部脇の三人席の連結部側に座る。と、隣の初老の女性が「それ、フ ラフープですよね。懐かしい。これから試合ですか」と話しかけてきた。 フラフープと私の関係についてどういう憶測がな…

いつでも来い!

マンション入居時にキッチンに置くオリジナル収納家具の提案があっ たが、見た目が高価で値段に見合っていても、空間利用に難がある。電 子レンジやトースターをコンパクトに収納するラック開発では、通販会 社に“一日(いちじつ)の長”があるものなのか。母…

悪筆の理由

私はペットボトル飲料をほとんど買わない。買っても、飲み干したあ と、何度か水筒代わりに使用してからでないと捨てない。ケチなのだ。 それに、再生されるとは言え、ペットボトルの山を見ると、罪悪感を覚 えてしまうからでもある。 よって、先日、会議用…

心の深くへ

爽やかな朝が来た。地平線からのぼる太陽が雲を下から染めている。 夕刻と違うのは、光を浴びた雲の下方はもうしっかり昼間の白い色に なっていること。その代わり、近隣のマンションの壁は、一面、茜 (あかね)色だ。この色は朝であっても郷愁を誘うものな…

カナリアが来た

レモンカナリアのピーコが五月に死に、悲しかったが、カナリア がいない生活はもっと寂しいので、また飼うことにした。 カナリアは16世紀からヨーロッパ各国で改良が重ねられ、日本 には江戸時代に渡来し、高級な鳥として大名などに愛でられたそう で、葛…

私なりの進化

遠方より友が来たりて、会った。落ち合ったのが観光地でもあったの で、デジカメを持参する。 ところで、デジカメって、フル充電してほとんど使わなくても、1ヶ 月ほど置いておくと放電してしまうものだったのか。そうとは露知らず、 撮ろうとしたら、電池…

月旅行なら

中学生の図工の時間、どういう課題だったかは忘れたけれど、画用紙 一杯に大きく蟹を描いた。それを見て、美術の先生が「足の一番外側が みんな同じ色なのが調和になっているね」と言ってくれたが、なんとか 褒めるところを見つけようと苦心して捻り出してき…

フランス語では売春宿と言う

買ったジャケットのボタンを変えればぐんと高級感が増すかと思い、 まずは、買った服に予備で付いてきたのや、服を捨てる時にはずしたの を集めた桐の箱を見てみることにした。 昔、両親から旅行のみやげにもらったもので、箱の上には刺繍が施さ れ、その図…