2007-03-01から1ヶ月間の記事一覧

別れるに時あり

学校や職場で一生の友と言ってよいほど親密になり、次なる道が異な ろうとも、そんなことぐらいで壊れる仲じゃあない、と思っていたら、 徐々に疎遠になって、限りなく無に近づくことはよくある。 儀礼にすぎない年賀状が最後の砦となってくれるならまだしも…

出会うべき人

私が初めてフランスに滞在した際、私を通じて日本に興味を持ち、以 来、日本語を学び、日本に来ることを夢見ていたフランス人が、夢を実 現して日本に来ているのだが、彼女の進路の手助けにずいぶん時間を取 られた。 別に私に義務はない。 だが、私の脳裏に…

思い癖

人の心は、生まれた時は無色で、徐々に個性ができるのではなくて、 生まれながらに個性が備わっている。 そんなことは、子持ちの親、特に子供が二人以上いる親なら、実感と してわかっているのだろう。私は、保育園の英語レッスンで子供達を見 ていて、とく…

美しい国より、美しい人

電車の中で、隣に座ったオンナが化粧をし始める。 一日目は二十代の勤め人。ところが、三日目に学生とおぼしき十代と 出くわす前の二日目には、完璧なる白髪を完璧なる黒髪に染め上げた歳 の人がやおら口紅の塗り直しを開始したものだから、私は匙を投げまし…

引用のリスク

読んだ途端、別の本に出ていた話そのままじゃないのと気づいた私は、 念のために、そのもと本を引っ張り出してきた。 一つは『心のチキンスープ2』の中の『窓』という小話で、最後に 「作者不明 ロナルド・グールステン&ハリエット・リンゼイ寄稿」と ある…

それでも盗作だと思う

私が自分の幼さを恥ずかしく意識したのは、大学時代、友達が洋服の 販売か何かのアルバイトをしているというのを聞いて、従業員価格で安 く買えるのが羨ましいと言ったら、目で激しく軽蔑された時だ。 確かに、その程度のことを羨ましがるとは底が浅い。 読…