来年の抱負、ではない

花屋の馴染みの店員にシクラメンが並んだねと言ったら、「新しいのが入るから、明日の方が」 と言われ、私が今年も買うと思われたみたい。 確かに、ここ数年、私はシクラメンなしでは色のない冬を越せなかった。 だが、卒業した。 なのに翌日立ち寄ったのは…

紅葉は毎年見たい

京都の秋の特別拝観は、大半が十二月の第一週目で終了。 その直前に、遠方から友が来た。 コンサートを見るためだが、前回は、一泊二日の滞在中、コンサート以外の空き時間に彼女が行きたい場所の一覧をメールで送ってくれたので、二日とも観光に付き合える…

客は面倒

スーパーマーケットの日常品売り場を通り過ぎようとしたら、レジの前が妙な雰囲気。 女性客のそばに男性店員が二人いて、その一人に女性客が、「あんたも、おったよね」 というようなことを言った。 怒りや文句を言う時、地元の言葉を使うと迫力が増す。 日…

国際書留郵便ミステリー

フランス宛に重要書類を送るので、書留にした。 万が一にも、途中で行方不明、などという事態になってほしくないなら、料金の高さは仕方ない。 十一月十四日に出した手紙は十一月十八日に「国際交換局から発送」と追跡ページに載った。 しかし、十一月三十日…

スーパーマーケットのレジで

今日、食料品を買いにスーパーマーケットに行ったら、ブラック・フライデーのお買い得品があるのか、土曜日の昼間はいつもこうなのか、レジには長い列。 レジと商品の陳列棚の間は、買い物客が行き交う通路だ。 しかし、レジ待ちの列ができると、その通路ま…

日本茶のテイスティング

寒くなったので、プランターの花の水遣りは、毎日しなくてもよくなった。 だが、人は、季節にかかわらず、毎日一定量の水分補給が必要。 私はお白湯か水かコーヒー。 コーヒーを一番よく飲んでいる気がするのは、お白湯や水だと味気ないからかも、と思い、ス…

シジミチョウとロングコート

十一月に入って一度、冬のロングコートを着た。首にはしっかりマフラー。 いつのことだったか確認すべく、ワードで書いている日記を見返そうとしたら、その前に、シジミチョウを見たと書いた日のページに目が留まった。 そうだった。もう十一月なのに、ベラ…

願えば、叶う時もある

「僕達は生まれた時から車に乗っていて、降りられないし、行く道は決まっている」 そう語ったフランス人のことを前回書いた。 フランスにもこういう考え方があるのか。 彼の妻が通う鍼灸師が道教を学んでいて、その学びを彼らに話してくれたらしい。 私の場…

生まれる前に決まっている

フランス人は友達を家に招く。 でも、きっかけはあった方がいいのだろう。 私が四月に行った時は私が恰好の理由になったようで、どの家庭も友人夫婦をランチに招いた。 その時撮った写真は直接の友達に送り、招待客達に転送してもらった。 その中の一人から…

縦罫ノート

毎朝、ノートを付ける。 起床時刻とその時の室温、部屋着、パジャマ、就寝時間などの欄を埋める。 部屋着の欄にはTシャツなど具体的に名称を書くこともあるが、その必要がなければ、ただ丸を付ける。 シーツを洗ったら、欄外にメモ。 もう洗った方がいいか…

人気のキャラクター

朝から本降りの雨。 梅雨みたい、と思うのは生ぬるい空気のせいだろう。全然秋っぽくない。 買い物に出たかったが、諦めた。 買いたいのは生乳100%のヨーグルトだけだったから。 一つあるが、中身がほとんどない。 それでも明日買いに行くまであれば安心だ。…

ドラマの字幕

「最近よくメールくるなあって思ってますか」 友からのメールがこう始まっていて、私はきょとん。 タイトルだけ見て削除するメールの多さを問われたのか、と思ったのだ。 でも、なぜにこんな前置き。 とりあえず最後まで読み、再びこの文頭に戻って頭を悩ま…

テレビに黒いシミ

一週間前に書いた文章を読み返して、ああ、そうか、私はあの日、目がカピカピになっていたんだ、と思い出し、不思議な感覚に襲われた。 インターネットで韓国ドラマの『冬のソナタ』を一気に見終えるべく集中しすぎて、目がカピカピになった。 こんなことは…

『冬のソナタ』

きのうと今日、私は目がカピカピ。 きのうは、寝なくてはと思いつつ、夜中の二時まで起きていた。本当はもっと起きていたかった。 原因は『冬のソナタ』。 韓流ブームのきっかけとなったという『冬のソナタ』のテレビの再放送を知り、ドラマのあらすじを知ろ…

バージンロードはない

日本語にない外国の言葉を日本語にする時は、言葉の感性が求められる。「経済」という言葉は、英語の「economy エコノミー」を福沢諭吉が造ったという話は有名だが、そうと知らなければ、昔から日本語として存在していたと思うだろう。 今、ブライダル業界が…

趣味のような仕事

八月の終わりに蝉の声が消え、蝉達は、徐々に鳴く数が減って、ついに一匹も鳴かなくなるという道を辿らなくなったのか、温暖化の影響かと思ったのは、台風十号が接近していたせいだった。台風通過後、また鳴き始め、今週、本当に蝉の季節が終わった。 まだ三…

私の心の安定剤

その中学三年生はアメリカからの帰国子女。 身についた英語力で世の中を渡っていってほしいと親は娘の将来を設計したようで、彼女は高校はインターナショナルスクールを受験することになった。 一番仲の良い同級生にその話をした。「秘密ね」 ところが、別の…

米を買う

それを買って満足しているなら、その後、セールが始まっても、同じのが出ているか、出ているならどのぐらい値下げになったかを見に行く必要はない。 でも、確認したくなる。 それに似たことを、米に関して、した。 今週の火曜日。 仕事帰りにスーパーマーケ…

八月病

今朝、気がついたら蝉が鳴いていない。 早朝には鳴いていた。 でも、その後、ふと気がついたら鳴いていない。 夏中、集団でさざ波のようなバックミュージックを奏でる蝉達。 その中に明らかに音調の違うのが混じると、夏の終わりも間近である。 ミンミンゼミ…

お米は、どこ

米が不足している、というのは小耳に挟んでいたが、スーパーマーケットのお米コーナーには本当に一つもなかった。 数日後、入荷したらすぐに売り場に出すので受付に訊ねられても返答できないという旨の貼り紙が出ていた。 次に行ったら、パックご飯が山積み…

食べなければ、痩せる

遠方に住む友と電話で話した時、「体重が増える一方で、なんとかして痩せないと」 と友が言った。 私は、パリ空港で買ったサンドイッチを、家に帰ってすぐに食べた。数字に弱く、おまけに時差で混乱し、賞味期限をとうに越えているのに、そう計算できなかっ…

偶然、必然

私のフランスからの帰国日が、もしその前日であったら、パリ空港の航空管制官のスト予定の日に当たっていた、と前号で書いたが、幻となったストのことを教えてくれたのは、滞在先の家の人だった。 帰国の朝、さらっと言われただけだったが、感慨深かった。 …

フランスを個人旅行する時は

きのう、パリ五輪の開催式の日を狙ってTGV(新幹線)の三路線のケーブルが放火され、運行が止まり、人々は長距離バスや自動車の相乗りサイトを検索して大わらわ。 それでも、さほど動じて見えないのは、ストとは理由が違えど影響は同じで、日頃から慣れて…

日本体操協会

この春フランスで私を泊めてくれた夫婦が友人夫妻をランチに招いた時のことだ。 招待客は去年日本を旅行したので、写真も見せつつ、目を輝かせて体験談を話してくれるが、あまりに賞賛が過ぎて、私は思わず反論したくなる。「日本人は、横断歩道は信号が青に…

髪を切る

髪を後ろでひとまとめにして、手でくるくる巻き、上にあげて髪留めで留めるのは、私の夏の定番。 ショートヘアは、刈り上げでもなければ、毛先が首に当たるので、そこが暑さの元凶になる。 そう思っていた。 ところが、髪の毛をアップにしていたら、蒸れる。…

二千円札

今朝、今年初めて蝉が鳴いた。 一匹。 自分以外に仲間がいないことを、この一匹はどう思っただろう。 アメリカ在住の友が帰国した。 今年も同じホテルのレストランでランチ。 このホテルを知ってから、ランチはここ、と決まった。 それまでは、毎回、どこで…

フランスのチョコレート

私は肘から手首まで机の上に置いた状態でパソコンのキーボードを打つので、腕にそれほど負荷はかかっていないと思っているが、たまに右肘のあたりに痛みを感じることがある。 左手はほぼ固定。一方、右手は肘を中心に上下左右に少し可動するので、そのせいか…

筍とスイカ

今年はタケノコを食べ損ねた。 去年の春。 駅前でタケノコの直売があった時、朝採りが一番新鮮だとわかっているけど、下処理がちゃんとできるか不安で諦めるつもりが、あく抜きしたのも売られている。 それを買ったら美味しくて、朝採りだったらもっと美味し…

朝まで披露宴

去年の七月に家族で来日したフランス人の友は、この四月に結婚した新郎の姉に当たる。 結婚式は長かった。 一日目。 市役所から教会、その後、晩餐会の会場の外でアペリティフ。 この日まで私を泊めてくれていた夫婦の車で会場に着くと、私はスーツケースと…

結婚祝い

フランスで泊めてもらっている家庭で、食事のあと、「小切手を切らなくては」 夫婦の会話が始まった。 私は黙って聞く。 翌日の結婚式に招待してくれた新郎への結婚祝いのことだと説明してくれた。 私も結婚式に出席し、そのまま新郎の両親宅に移る。 伝統的…