調べたら、私はこれまでにダイエット関連の本を私三十四冊も読んで
いる。
なのに今、思ったように体重を落とせない、という状況に直面。
今読書中の三十五冊目は、森拓郎の『味覚を変えればやせられる』だ。
これは、痩せる手法は運動ではなく食事、というコンセプトで書かれ
た『ダイエットは運動1割、食事9割』『食事10割でヤセる技術』に
続く三冊目である。
美しい身体作りを運動指導で行なうのが著者の本業であることを思う
と、そして『食事9割』を上梓した十ヶ月後に『食事10割』が出版さ
れたことを考えると、食べ過ぎるから太る、という当たり前のことは無
視してダイエットしたがる巷の人達の心の動きに戸惑い、叫びたくなっ
てしまう気持ちが伝わってくる。
なんせ、『食事10割』の本では、
「ヤセたいなら正しく食べろ!」
「主食を抜くからあなたは太る!」
など、当たり前の言葉がこれでもかと大きな文字で書かれているのだ
から。
運動で、食べ過ぎたカロリーは消費できない。
運動は、健康な身体作りを目指すため。後回しにしてよい。
で、痩せるための食事だが、清涼飲料水やスナック菓子、添加物満載
の加工食品、まがい物の調味料などを摂取し続けていると、必要な栄養
素は足りないので、その栄養素を求めて食欲が出るが、同じような物を
さらに食べても必要な栄養素は補えないから、ますます食欲が出てカロ
リーオーバー、という食品メーカーにとっていいカモになっているだけ
の歪んだ味覚をまずは原点に戻すことだと説く。
そういう食品とほとんど縁のない私は、優等生ってことじゃない。
が、この著者の本を読み出してからむしろ体重が増え気味なのは、こ
ういう私でもまだ駄目だとすると、ほとんど残っていない改善の余地を
叩きつぶさねばならないのかと思い、心にストレスを感じたのではない
か。
もっとも、改善の余地がほとんどない、というのは自分に甘い自己判
断、ということはあり得る。
理由はなんであれ、私の心は抵抗したわけだ。
自分の心の反応、癖を見極められたら、あとはもう、新たな方向に足
を踏み出す行動あるのみ。
なんて簡単。
と思ってきたけれど、酒や煙草をやめられない人がこの世に掃いて捨
てるほどいる事実を見ただけでも、理屈どおりいかないのが人の心だと
わかって然るべきだった。
それにしても、行動するとなったら、何も考えずただやればいいのに、
それができないのはなぜ。
勇気がないのか。
そうではない。
脳のせいだ。