ちらっと目にしただけでは記憶に残らない、と経験から断じたくなるか
もしれないが、一瞬の認知力を舐めてはいけないかもしれない。
少し前まで、日にちと曜日を一日ずらして間違えることが続いた。
焦る。
が、原因がわかった。
私は、家服や寝間着やバスタオルやシーツなど、いつ洗濯したかをいち
いち覚えてなんかいられない、と思った時から、ノートで管理し始めた。
縦軸には最初が起床時間で、最後が就寝時間。その間の欄には家服、バ
スタオルや寝間着の名称。着替えたら、その日の欄に丸をつける。
横軸は日にちと曜日。ところが、何ヶ月か先まで書いた時に、どこかで
ずれたみたい。
ちなみに、寝間着とは寝る時着る服の総称になるので、ここではこの言
葉を使ってみました。
さて、ノートに起床時間を記入する際、日にちと曜日は一瞬目に入るだ
けだ。だが、私の脳はしっかり記憶していたのである。
恐るべし。
だから、と言っていいと思う。
ジャニー喜多川の死去の翌朝、ほとんどのテレビがジャニーズの代表的
なグループの過去の映像を流し、こういう時でもないと見られないので喜
んであちこち回していたら、『スッキリ』を見て、愕然。
出演者全員、喪服ではないが、喪服のように見えた。服の色に喪服だと
受け取られたいメッセージが込められていたのである。
追悼番組ですかい。
でも、この話題のあとは普段どおりの情報発信。
誰が、誰に忖度して、こういう色になったのだろう。
今日は今日とてテレビをつけたら、『中居正広のニュースな会』で、出
演者全員の服の色から発せられるは、これまた同じメッセージ。
ＳＭＡＰの解散発表の時、彼らに同情が集まるような服と舞台背景であ
ったことから、嵐の活動休止の発表を興味深く待っていたら、この五人は
服の色のハーモニーが極上で、目を奪われた。
一体、どんなすごいスタイリストがついているんだ。
以来、私は彼らを、というか彼らの服に注目するようになった。
服はメッセージ。
テレビ局がコマーシャル提供会社に忖度することは知っているが、それ
以外にも忖度する相手がいること、それを出演者の服の色で発信すること
もあるとしたら、視聴者は、ぼんやりテレビを見ていたのでは、好きに感
化されるんだなあ。
嫌な気分になっていたが、家族葬後のジャニーズ百二十七人の集合写真
にほっとさせられた。
みな喪服のはずが、ホストの集まりのようで、明るい気分になる。
