有吉セクハラ・ジャポン

 四月も半ばだが、寒かったり雨が降ったり。それに新型コロナウイルス
もある。
 本屋に行く必要があり、歩き始めたら、身体が重い。
 朝晩計っているので、体重の増加は知っていたが、心底思った。
「やばっ」
 が、目の痒さはどうしたらいい。
 私は放っておいたら喘息になるアレルギーを漢方薬で抑えているが、目
漢方薬の管轄外だ。
 眼医者にもらった薬は一ヶ月を越えたので、もう使えない。再度眼医者
に行くのがためらわれるなら、目の痒さに耐えるしかない。
 この程度の不調はささやかなもの。
 それでも、気分は大きく左右されるようである。
 あ、だから食に走るのか、私。
 一昨日、なんとなくテレビをつけたら、初めて見る『有吉ジャポン』で、
服の上から乳首の位置を当てるという、それがどんな特技か意味不明の検
証が田中みな実の胸でなされようとする場面だった。
 続いて、乳首に紐付きの洗濯ばさみを付け、紐を引っ張りはずれた時の
田中の反応を見る。
 お気の毒にね。
 宴会などで、タガがはずれた上司にセクハラまがいのことを強要される
部下を想像させられた。
 たちが悪いのは、女が女にするという構図にしたこと。
 画面の中で沸き起こるは、野太い男達の笑い声のみ。
 田中みな実は、高い出演料と、一瞬の我慢を天秤にかけ、許容したのだ
ろう。
 私は次を待った。次は司会の有吉弘行の乳首だな。
 ところが、それはないから、つまらない。
 こういう企画が放映される国。
 そりゃあ、神戸市立東須磨小学校の教員セクハラ事件も起こるであろう。
 楽しい気分を求めてつけたテレビで、気分は、さらにささくれだった。
 が、翌日。
 いつもの花屋で、普段は切り花二本のセット売り税抜き三百円弱が同じ
価格で十本入り。二セットならさらにお得な五百円。
 花農家を応援するためで、売り切れ御免の限定セットだとか。
 二年前に見惚れて一本買い、もう一度買いたかった白い菊がある。
 それと白いグラジオラスを買ったが、計二十本もの花が入る花瓶はない。
 再度出かけるも、百貨店は閉まっているし、気に入った花瓶がそうすぐ
に見つかるわけはなく、スーパーでおしゃれな白いゴミ箱を買った。
 あ。水漏れしないのか・・・。
 しないから、日本で売られる製品への信頼がいや増す。
 剣山という、使うことがあるのかと思っていた物にも出番を作ってやれ
たし。
 夜六時からは『小さな村の物語 イタリア』の再放送。
 目は痒いが、幸せだ。