問うことは大事だ

 プリンターが壊れた。
 メーカーとのメール相談が何度か続いた末に修理しかないと判断された
が、本体トレイからの印刷は正常にできるので、まずは必要なA4サイズ
の印刷をしておくことにした。
 が、印刷できない。
 何もしていないのに症状が悪化するなんて。
 印刷すべきデータをUSBメモリに保存し、念のためにフリーメールの
下書きにも保存する、など最悪を回避する策に追われる。
 なんかあたふたさせられるなあ。
 そう思ったせいであったか。
 新しいのを買った方がいいかも、という発想が閃いた。
 だが、買うとなると、何を、を決めるのに、また時間がかかる。
 メールのやりとり中に後継機あるいはお勧めの品番について回答をもら
っていたけれど、機能など口頭で確認しておきたいことがある。
 元旦に間に合うよう年賀状を投函したいと思うと、せっつかれる感じに
なるが、なんとか新しいプリンターを設置できた。
 歯医者に行った。
 上の歯の三本の歯茎に軽い出血、と診断された。
 定期クリーニングの最後に、先生がもう一度戻ってきて、
「では、また来年」
 私は、なぜ出血するのか、と気になっていたことを問うた。
「虫歯の時とかにも」
 と先生。
 そして私の前歯の後ろを鏡で確認すると、
「あ・・・」
 私は小さい手鏡を渡され、歯の裏側が初期の虫歯になっているのを見
せられ、再度、年内に行くことになった。
 私が質問しなければ虫歯は見落とされていたわけだが、私は質問した
のだ。だから、いいのだ。
 去年iMacを新しく買った時、アップルケアに電話で相談し、旧iMac
らデータ移行する方法の中から一番安上がりなのを選ぶことにしたが、
実行する前に、まだ確かめたいことがあり、電話は二度、三度。そして、
じゃあ、この電話の後、いよいよ実行しよう、という直前、
「移行終了までに何時間ぐらい見積もっておけばいいでしょうか」
 と最後に質問したら、データの容量次第だと言われ、私のを確認して
もらうと、
「それだけあると二日ぐらいはかかりそうですね」
 と言われて、えっ。
 その方法は却下した。
 最後までちゃんと疑問を聞いて、よかったあ。
 結果的には私に最適なものや方法に落ち着く。
 でも、その前に、やきもきして、考えに考え、悩む手順をはずせない。
 なぜかそういう私だとわかっているので、もし私が質問しなければ、
とは思わないが、ますますしつこく聞くし慎重になってしまうところは
否めないかもしれない。