洋書は高い、けど

 洋書の取次店から本が入荷したと電話がかかってきた。
 普通、駅前の目に見えるところに一件ぐらいは本屋があると思うのだ
が、全然ないので、「あそこって本屋がない町なの」と呆れたら、私が
歩く道から一筋入った通りには、いわゆる町の本屋が何件かあるし、駅
前ビルの中には洋書も売っている大型店があると、その町に住む知人に
逆に私の無知を軽蔑されてしまったが、その大型店に注文してあったの
だ。
 メールのやりとりで、取り寄せには三、四週間かかるが、連休が入る
ので、もう少し見てほしいと言われていたのに、三週間も経たずに届い
た。さすが日本。いや、和書なら、オンライン購入の速さは、書店で取
り寄せてもらう比ではないから、あくまでオンラインショップにも在庫
がない洋書の場合に限るのかも。
 本当は、わざわざ買うつもりはなかった。が、そのフレーズを日本語
で読んで深い感銘を受けたのち、偶然、別の日本語訳に出くわしたら、
今度は、ひとことも心に染み込んでこないどころか、日本語自体、隅か
ら隅までピンと来ない。
 一体、原文はどうなのだ!
 幸い、二冊目の方に著者名の記載があったので、Amazon.comで調べ
てみると、その著者の本が複数ヒットした。しかも、そのそれぞれの本
の表紙や目次や裏表紙の画像も見ることができたおかげで、私が読みた
いのは間違いなくこれ、と特定できた。そうでもなければ、キャンセル
不可の注文をする勇気は出なかっただろう。
 では、どこで購入しよう。まず、オンラインショップを見てみたが、
何でもカード払い派の私が唯一手を染めたくないのがインターネットに
カード番号を入力することで、代引きなどにすると、書店の店頭購入よ
り若干割高になることがわかった。
 ならば、素直に店舗のある店で頼もう。だけど、取りに行くだけに出
かけていくのは、交通費が余分にかかるよなあ。
 ということで、定期的に立ち寄るその町の大型店にメールで問い合わ
せ、値段的にも調べていたのとほぼ同額の回答だったので、発注した次
第。
 それにしても、インターネットだと、アメリカ、イギリス各国内での
販売価格がわかってしまうのがすごい。そこに輸送費や書店のマージン
がいくらぐらい上乗せされた金額で購入することになるのか、内訳が納
得できるからだ。
 感覚的な「高い」「安い」を払拭(ふっしょく)できるすがすがしさ。
 インターネット様々(さまさま)である。