サンドイッチの、その後

 フランスから帰国後、最初の更新は五月三日になると予告したのは、三日
は土曜だと思い込んでいたからだ。
 数字が苦手だとまたもや暴露された。
 けど、帰国の翌日に書く必要もなかった。
 でも書いたので、今日はその後の顛末を書くしかない。
 パリ空港で買ったサンドイッチを、家に帰って食べて二日目、私は嘔吐を
繰り返し、夕方には下痢になった。
 目眩の予兆だと思い、薬を飲んだが、目眩の時は吐きそうにでも吐かなか
ったが、頭がふらふらして、まともに歩けなかった。目眩じゃないのか。
 嘔吐と下痢は一日で治まり、翌日はアレルギーの診察予約の日で、医師に
前日の症状を告げたら、細菌性の胃腸炎に感染したのだろうと言われ、サン
ドイッチのことを話すと、
「そら、あかんわ」
 でも・・・あっ。
 フランスに向けて出国した日は夜明け前に家を出るので、朝食を食べてい
る暇はなさそうだと思い、おにぎりと塩揉みしたきゅうりを作っていったが、
羽田でパリ行きの便に乗り換えるとほどなく機内食が出たので、いらなかっ
たか、と思ったのも一瞬で、その後、無性にお腹が空いた時に食べたから、
作っていって正解だった。
 そんな経験をしていたので、帰国時にはパリ空港でサンドイッチを購入し
たのだ。
 ただ、飛行機がパリ空港を離陸するとすぐ、私は腕時計の時刻を日本時間
に合わせた。もうサンドイッチを買ってから何時間経つか、把握できない。
それがいけなかったのではないか。
 しかも、帰国便の機内食は食べきれないほどで、掌サイズのコッペパン
バター、チーズなどはあとで食べるよう取っておいたし、機内後方にスナッ
ク菓子等の準備があるというアナウンスを耳にしていたので、時々取りに行
き、サンドイッチの出番はなかった。けど、保険としての役目はちゃんと果
たしてくれたのだ。定価の半額で買えたから、捨てても罪悪感は軽くて済む。
 なのに、家まで持って帰って、食べた。
 その結果の食あたり。
 食べたことを書かなければ、こんな弁解じみたことをつらつら書かなくて
よかったと思うと、前号を書いたのが悔やまれる。
 だが、書けば記憶に残る。
 軽率、と言うのではないけれど、深く考えず、とりあえず行動してみると
いうのは、私にとってはよろしくないと身に染みてわかった。
 思い迷うほど、良い結果になる。
 私だけの運勢術。
 今回の旅でも何度も体験した。
 たとえば、帰国した時の羽田空港でもそうだった。