写真

 ワールドカップは、試合を生放送で見ていればそれで充分。のはずが、
結構、インターネットにアクセスしてしまう。特に、先日、準々決勝で
一発レッドカードを喰らったイングランドのWayne Rooneyのことを本国
でどのように報じられたかが気にかかり、新聞社のホームページを覗い
てみたりしたのだが、やっぱり、あの場面をもう一度静止画像で見てみ
たいと思い、そうなったら、インターネットの世界はすごい。私のよう
な野次馬にとても親切なのだ。
 FIFAのオフィシャルページは、つい先日まで、一番最初に立ち上がる
英語のページのみだと思っていたら、なんだ、九ヶ国語のうちから選べ
るのね---これは、私が本当の一ページ目から入っていなくて、気づくの
に遅れたのだと、今確認してわかった。私はPhoto ZoneのPhoto Gallery
をフランス語版で見てゆき、総数8,300枚の100枚目あたりで到達できた
のだが、念のために英語版を見てみると、総数6,332枚とある。なんで
かなあ。まあ、これは、自分ではまったく同じ操作をしているつもりで
も、何かが微妙に違い、同じページに辿り着けないミステリーがごく普
通の我が特殊能力の成せる業なのだろう。
 主審がレッドカードを頭上に高々と掲げ、それをRooneyが見上げてい
る。ほかの選手も入った別の構図のもある。気になる写真をクリックす
ると大写しになり、コメントが読める。ただし、これはフランス語版で
も、なぜか英語。読者のお薦め度が★で表わされたのを見ると、David
Beckhamが足を痛めてピッチを去る写真は、緑の芝生の中を普通に歩い
ている彼が右端に写っているだけなのだが、お勧め度は満点の5つ星で、
Rooneyの4.5より人気を得ている。カメラマンは、そういうのも気にな
るのかなあ。
 たとえ、そうだったとしても、それはもう、ハイレベルの領域でのシ
ョットチャンスの腕比べとなるわけで、何気ないスナップ写真のように
見えてもプロの仕事であることは、見ていて、飽きない、神経が苛立っ
てこないことからわかる。素人は、自分では撮れなくても、良いものを
良いと評価できる能力はプロ並み。良いものに触れていれば、自然とそ
の能力は開発されてしまうのだ。
 そういう私達を満足させなくてはならないプロ。ところが、カメラは、
サッカーなどと違い、素人にも身近なだけに、プロとの差がわかりづら
くなりそうだが、実はそうでないことを、この8,300枚は教えてくれる。