年賀状印刷

 風邪が長引き、なかなか年賀状を印刷する気になれなかったのがよか
ったのか。そのあいだに次々喪中はがきが届いた。
 五枚というのは私にとって驚異の多さで、たじろいだが、中に、その
友と故人がどういう関係だったのか明記されていない一枚があり、人の
世は順送りというケースからはずれて、知らせるのがつらかったのかな
あと気になるものの、久しく年賀状だけのやりとりになっているので、
次回の年賀状にいつも通り家族全員の名前が記されているのを気長に待
つしかなさそうだ。
 年賀状のデザインを作ったのは、十月十六日。
 秋のさなかの年賀状の予約というのは、ほら、すぐそこまで来年が来
ているのだよ、と突然せっつかれる感じがして、不愉快で、どうやら私
は、その不愉快さに刃向かいたかったらしい。
 せっつかれるから不愉快になる。ならば、その上を行く性急さを私が
見せつければ、勝てるんじゃない。
 私の中だけでの納得だけど。
 でも、案外、いい方法かも。
 その十六日の時点でインターネットから入手できる素材を使い、作っ
た四種類は、とりあえず小手調べのつもりだったが、時間を置いて見直
しても、一から作り直すべき必要を感じない。
 結局、四種類とも、そのまま最終デザインになった。
 これはもう、「まだ十月なのに」という怒りに私の集中力が火を付け
られたおかげとしか思えない。
 あるいは、〃一気呵成〃は私の本質なのか。
 印刷も一日でし終えた。
 宛名ソフトを使わなくての一日だから、自慢していいだろう。
 ibook 用の宛名ソフトなら持っているが、ibookは再インストール
しないと使えない状態で、今使用中のiMacでなんとかしようとしたら、
実際の年賀状には郵便番号の枠の上に「郵便はがき」の印字があるのに、
wordの「はがき宛名印刷ウィザード」はそれがないレイアウトが年賀状
の定型になっていて、印刷すると郵便番号が枠から大きくはみ出る。
 まあ、いいや、と二枚印刷したところで、ソフトの不完全さに目をつ
ぶる安易な精神を、私が私自身に赦せなくなり、宛名と郵便番号を図形
作成したら、理想の配置にできた。
 その代わり、宛名は一枚ごとにコピー&ペースト、郵便番号は地味に
数字を打ち込まなくてはならない。
 たっぷり時間を取られたけど、コレが駄目ならああしたらどうかと工
夫し、結果が出せたのは、いい気分。
 来年もする気力が出るかどうかは疑問だが。
 あ・・・また一枚、喪中はがきが届いた。