フランスのDVD

 去年の春、日本に来るフランスの友から、何か買ってきてほしい物は
ないかと聞かれ、フランス人男性歌手のCDを頼んだ。
 フランスのニュース番組で紹介されたその歌手の曲をインターネット
上で視聴して、最新のCDに決め、友達が買う時迷わずに済むよう、詳
細情報を調べると、同じタイトル、同じ表紙で何種類か出ている。ライ
ブ演奏曲入りとか、DVD付きとか。
 DVDねえ・・・。
 ちょっと気が惹かれ、日本で再生できるかどうか調べた。
 私のうろ覚えの記憶によれば、録画方式か何かは日仏共通だが、にも
かかわらず、次の関門の何かの規格が違うため、結局、フランスのDV
Dは日本で観られないとわかった。
 まあ、DVDはもともと念頭になかったし、会ったら代金を払うから
と友に言ったけど、きっと、みやげだと言って受け取ってくれないとす
るなら、友に無闇に散財させたくはない。
 ところが、去年のクリスマス、別のフランス人から音楽のCDが届い
た。DVD付き。
 日本では観られないんだけどなあ。
 調べ直したって、結果は変わらない。
 ・・・それが変わった!
 パソコンで見る分には国の方式の違いに左右されないという情報に行
き着いたのだ。
 半信半疑でパソコンで再生してみたら、問題なく観られる。
 生半可な知識やなまじの警戒心はない方がよかったってこと?!
 それにしても、なぜ一回目と二回目で得られた回答が違うのか。
 インターネット検索は言葉で行なう。
 入力する言葉が中途半端だと、自分にとっての正解に辿り着けない。
 私は、映画のDVDをもらっても観ずに放置してあるぐらいDVDと
は疎遠で、再生手段と言えば、普通はDVDプレーヤー、という常識す
らなく、春調べる時に「パソコン再生」という言葉で条件を狭める必要
性を思い付けなかったらしい。
 膨大な情報の中で「ボクはここにいるよ」と待ってくれていても、出
会えないのは、誰のせいでもない。
 ひとえに私の探し方が悪いせい。
 心につんとさみしい現実だなあ。
 去年の十二月二十三日にSkypeにログインできなくなった時は、
Skypeの世界規模のサービス障害だという情報に最短で到達できず、パ
ソコンの問題だと考えて、ダウンロードし直すも解決しないという不毛
の時間を過ごしてしまったし。
 寄り道しながらも正解に辿り着けたからまあいいか、と自分で自分を
慰めたけど、まだまだインターネットが手足のようにはなっていないな
あ。
 インターネットって、思った以上に言語力を試される場なのかも。