航空券と座席指定(フランス旅行記)

 パリ往復の航空券は、出国する二ヶ月ほど前に航空会社のサイトで購
入した。
 すでに前日、代理店に電話して予約してあったが、その価格の根拠は
なんなのか。
「そうだ。航空会社のサイトを見てみよう」
 と閃いたのだ。
 航空運賃は、搭乗日と搭乗便の混み具合によって価格が変動するらし
いが、私が代理店に電話した日のその時刻には、最安値の次に安い料金
体系の運賃でないと、パリからの帰国便に空席がない。つまり、それが
代理店が私に提示した運賃だった。
 ライバル会社の航空券なら、まださらに安い価格で購入できるが、帰
国便はドイツ経由で、私の意に添わないから、代理店は却下したのだろ
う。
 インターネットは、情報がオープンなのがいい。
 これで納得できたので、じゃあ、一週間後の代理店の発券を待ちまし
ょう。
 けれども、私は飛行機の空席状況を見るのが楽しみになり、翌朝見た
ら、このライバル会社から、私の帰国日のパリ発成田行き直行便に空き
が出ている。
 値段は、私が予約中の航空会社のより二万円ほど安い。
 ただ、行きの成田発パリ行きの空きは一席なので、すぐに予約しなく
っちゃ。
 ところが、二万円も安くなるのは何か裏があるのでは、などと、こと
飛行機に関してそんな懸念は無用なのに、真剣に迷って、すぐクリック
できない。
 それでもなんとか間に合ったが、座席指定ではチャンスを逃した。
 購入と同時に座席指定をしたが、帰国の国際線はまだ航空機の機材が
確定していないので、指定内容は便宜的なものになる、とただし書きが
あった。
 それが確定したので座席の指定内容の再確認をどうぞ、というメール
が一ヶ月後に届いた時、指定してあった二人席窓側の位置を確認したの
ち、それよりよさそうな列に空席の二人席はないかと探したら、見つか
ったが、その窓側席に指定変更する前に、シートマップで全体像から位
置を再度確認し、かつ、その画像をパソコンに保存していたら、誰かに
先を越されたようで、
「すでに予約がなされました」
 私のクリックは、はねられた。
 あ〜あ。
 でも、その席の隣の通路側席もほどなく埋まったから、ま、いいか。
 これに学んだ私は、出国前夜、成田までの国内線のシートマップで、
後方の三人席がまとまって数列、空席なのを見つけると、その真ん中
あたりの列の窓側席へと、予約済みの二人席窓側からサッと指定変更。
 翌朝、実際の機内では、私の前後の列がなぜか混雑。
 私の列だけ、三人席に私一人。
 幸先の良い旅立ちである。