焦点距離ではなくて、絞り値でした

 やばー。
 前回、「焦点距離」と書いたのは「絞り値」の間違いだった。
 焦点距離はf、絞り値はF。
 大文字と小文字で意味が異なる。
 けど、インターネット上では絞り値も小文字のfで書いているサイト
があるし、カメラ音痴の私はうろ覚えで書いて、見事、大失態。
 このミスの前では、最後の一行の飛躍が伝わりにくかったかも、なん
て不安は吹き飛ぶ。しかし、補足しようとすると、こっちの方が説明が
長くなる。
 夜空に花火が開花した直後の、星の一つ一つの色がわかる瞬間。
 あまりに短くて、目に焼き付けて記憶することもできない。でも、写
真に撮るならば、あとでゆっくり鑑賞できるだろう。
 そのためには、推奨されていないぐらい速くて、でも花火がちゃんと
写るシャッタースピードが必要で、それを求める点において、私は始終
一貫していた、と言いたかったのだ。
 今年は、その求める速さをさぐって、新しいカメラのRX100で苦
戦しただけ。
 ところで、今一度インスペクタを見直したら、実は、私は、マニュア
ルで花火の撮影を開始している。が、十三枚すべてが真っ暗に写ったの
で、本番前の失敗と見なし、この十三枚は無意識に数からはずしたみた
い。
 インスペクタによると、この時、焦点距離ではなくて絞り値にF5.6
を選んでいて、そのためシャッタースピードが1/50と速すぎるものに
なった。
 絞り値を大きくすれば、シャッタースピードが遅くなる。
 なのに、シャッタースピード優先、絞り優先と無駄に放浪してからマ
ニュアルに回帰するという回り道をしてしまった。幸い、この二回目は
絞り値にF8を選んだので、シャッタースピードが0.4秒に固定され、
撮影も安定。過去の四百万画素の時の二倍の遅さだが、このぐらいの方
が暗く写る撮りハズレの出現率は減るであろう。
 ISO100(←正しくは80です)、露出ー3(←これは削除)、
絞り値F8。カメラは三脚で固定し、タイマーはなし。
 シャッタースピードと絞り値とISOの相関関係、あるいは露出など、
私の理解力と相性が悪すぎるカメラの基本は忘れ、来年から、花火の時
機械的にこの設定を選ぶとしよう。
 この実りを得たのが、今回の収穫。
 もう一つの実りは、今回のことを通じて、私が撮り求める花火の写真
は世間的には異端だと自覚できたこと。
 無意識の意識化。
 同じ嗜好の人はきっと、ほとんどゼロだろうな。
 でも、悲しくはない。
 不安もない。
 むしろ、
「ふーん、そうなんだ」
 目がきらめく。
 だって、これは新たな自己発見。