セビリア民謡

 スペインで買ったRaya Realのカセットテープは私好みの歌だったが、
スペインを離れてしまえば、新たにテープを買うことはできないし、彼
らについて調べる手立てもない。
 と思っていたが、今、インターネットの時代。簡単に調べがつくでは
ないかと気がついた。
 まずは、タイトルやそれぞれの歌の題名の意味を知ろうと、フリー翻
訳のページで試してみた。ニホン語訳には首を傾げたくなるが、対英語、
対フランス語の結果を付き合わせると、ああ、こういう意味なのか、と
納得がいく。
 テープのカバーのSEVILLANAS para BAILARという言葉は、ニホン
語訳で正しいのが出た。
 踊るためのセビジャーナス。 
 セビジャーナスって何。
 ウィキペディアによると、「セビリア周辺地域の民謡や踊りの一種」。
そして、「アンダルシアを訪れた観光客がフラメンコと間違えることが
よくある」。
 えっ。私じゃん。
 テープを購入したのはアンダルシア地方なので、複数の人間による歌
がメインであることにちょっと疑問を感じたものの、でもやっぱりフラ
メンコなのだと思っていた。ウィキペディアが百パーセント信用できな
い可能性を考慮に入れても、この記述に関しては間違いないと思う。
 というのも、私が歌詞もわからず好きなったということは、純粋に音
楽に惹かれたわけだが、何曲か聴いているうちに、このあたりで転調し
てほしいなあと感じるようになったのだ。で、曲がそう動くと、胸がす
く。つまり、この音楽にはなんらかの法則があるってこと。
 意外性よりも安心感で成り立つ曲、ということだ。それが人の心に心
地好さをもたらす。民謡の世界である。ニホンなら、演歌も、そう。
 ということは、聴きすぎると飽きそうな気もするけれど、一枚ぐらい
はCDを持っておきたい。もちろん新品で。
 ところがAmazonの販売価格は異常な高値。
 たとえば、さるCDは6,036円。同じCDがフランスやスペインの
Amazonだと20ユーロ前後なのを考えると、輸入盤でも吹っかけすぎだ。
 これまで、フランス人の友達に、CDを誕生日プレゼントにほしいと
頼んできたのは、フランスから送ってもらう方法があるのに、もしニホ
ンで買って、それがアメリカからの輸入盤だったらなんか嫌だなあ、と
思ったからだ。
 だから、アメリカのペンタトニックスのCDは自分で買った。もちろ
ん、ニホンのAmazonの金額の上乗せが妥当な範囲だったからもある。
 Raya RealのCDを、この値段では買えない。
 ということで、次回の私の誕生日には、彼らのCDをフランス人に頼
むとしよう。