突き指がほぼ完治したはずでも

 二度目のロコモ度テストまで二ヶ月半のあいだ、特別なことは何もし
なかったのに、結果はおしなべて一度目を大きく上回る好成績となった。
 いや、体重が400g減ったので、体脂肪率が0.1%上がって28.2%になり、
一方、筋肉量は200g減。基礎代謝量も7kcal減って1,203kcalになったり
して、体重が少し減っただけでも諸々(もろもろ)の数値に影響が現わ
れるものだとわかった。
 それでも、この基礎代謝量。女子の15〜17歳基準値よりは低いが18〜
29歳より多いという数値で、筋肉量が多い分たくさん食べても大丈夫と
言うか、からだの維持のためにそれだけたくさん食べる必要があるとお
墨付きをもらえたわけで、素直に嬉しい。
 ただし、体重は、女子のすべての世代の基準値を軽く上越え。
 でも、それはいいの、と歯牙にもかけず、テスト結果にご満悦の私。
 が、計測中止となった項目が一つある。
 これで検査は終了、という最後の片足立ちテストで、まずは普通の椅
子から立ち上がるという、する必要もないほど朝飯前のを左足でしたら、
看護師が首を捻る。私の立ち方はぐらついていて立ち上がれたと判定で
きないと言いたげな表情なのだ。
 私は、左足薬指を突き指したのがまだ治っておらず、この日はロコモ
度テストを延期してもらうつもりで来院した。しかし、医者の診察前に
先にテストをするという方針に切り替わったようで、看護師から名を呼
ばれたら、じゃあ、やりましょう、と思えたし、テストを始めたら、歩
幅判定方法(2ステップテスト)などでもすごい数値を叩き出せ、突き
指はもうほぼ完治なんだと希望の光を感じ始めていた。 
 それが、いやいやそうは問屋(とんや)が卸しませんゼと、からだの
ごく小さい部位の不具合が暴かれた次第。
 裸足だったので左の薬指を指差し、今日のテストを延期してもらうつ
もりだったと告げた。
 誰の目にも明らかな薬指の腫れ。
 片足立ちテストは不可能と決断が下された。
 そして、五月七日に突き指して一ヶ月以上経ってもその症状なら、レ
ントゲンで診てもらった方が安心だし、完治までに二ヶ月とか正確な目
安も教えてもらえるだろう、別にここの整形外科でなくてもいいけど、
と個人的に親身な意見を言ってくれる。
 それを聞いたら、薬指周辺と足裏から消えない違和感や、爪先を締め
付けないサンダルしか履けない現状が本当に解消するのか気になってい
たのが、急に大きな不安となって膨らんできた。
 即、二日後の診察を予約。
 驚きの診断結果が待ち受けていた。