今、パソコンから曲を流している。
久しぶりなので、珍しいなあと思う。
鳥の鳴き声、風の音、波打ち際の水音・・・。
自然の音は、多少耳についても、そのうち気にならなくなる。耳が音を
捉えなくなるのだろうか。
しかし、人工的な音は、どんなに美しい音色でも、聴きたくて聴くので
ないと、途中でうるさくなる。
高校では音楽を専攻したんだけどな。音楽のＣＤを五十枚ぐらい持って
いるんだけど。
パソコンのiTunesに曲を保存するのなら、ダウンロードが早いし安い。
それでも私はアルバムのＣＤを買ってそれを保存する派。
パソコンを買い直す度、ワード、エクセルと、文字入力ソフトのAtok
を何も考えずに買い直すが、AtokはＵＳＢ購入を選び、安いダウンロード
に背を向ける。ところが、マイクロソフトはダウンロードのみのソフト販
売になった。仕方なく従うが、形ある物が手に入らないので、万一不具合
が起こったらと思うと、不安に伴走されて使うことになる。
まあ、こんな次第で音楽はわざわざＣＤを購入する私だが、このところ、
とんと買っていないなと気がついたら、そうか、新しいiMacからディスク
の挿入口が消えたんだ。外付けドライブを買うか、時代の波に負けてイン
ターネットからダウンロードするか。
すると、iTunesに保存してある音楽で間に合う、と異次元の解決法が降
ってきて、本当にそれで間に合っている。
ただ、考えたら、iMacからインストールＣＤが消えて、初期化が必要に
なったらどうすればいい、という難問は、ワード、エクセルの不安の比で
はないだろうに、これには私はまったく無頓着だったなあ。その時はアッ
プルケアがなんとかしてくれると信じているからかもしれない。
さて、こうして珍しく音楽を聴くことになった今日の私だが、理由はわ
かっている。パソコンに向かっても書きたいことが何も浮かんでこないの
だ。
やばい。
どうしよう。
焦る。
そこで、音楽に助けを求めた。
音楽は期待に応えてくれ、少し書き始めたら、そのまま書けそうな気が
してきた。
感謝だ。
ところが、もう音楽は流れていない。
うるさく思考を邪魔してくるようになって消したのだ。
天啓を与えよ、と頼られたと思ったら、疎んじられて。
災難よね、音楽。
ごめん。
これを書き終えたら、聴きたくて聴くから。
あ、駄目だ。
ラグビーワールドカップ2019の準々決勝が、もう始まっている。
