LANポート、壊れる

 あかんもんは、あかん。
 そう呟いて、潔く諦めるのがわりと好き。
 特にパソコンは。
 四年三ヶ月前、ibookを修理に出した時がまさしくそうで、修理の手配
をするとすぐ、電話でiMacを注文し、翌日には入手した。
 そのiMacが、九月二十七日の早朝、インターネットに繋がらなくなっ
た。ibookはハードディスクが壊れて、とうに使い物にならなくなってい
る。
 NTTに電話すると、マンションの集合装置が固まったらしい。
 けど、うちの問題はそれとは無関係ということで、来訪して調べてく
れたら、iMacのLANポートが壊れた模様。
「あかんもんはあかん」。
 呪文を思い出した。
 だが、実際に新しいiMacを注文するまでに五日かかった。
 いきなり二世代新しいOS10.6が手に入る、という喜びよりも、それ
に合わせて周辺機器やらソフトの再設定やら、場合によっては新規購入
も必要になると思うと、それらの手間を思って、気持ちはおおいに後ろ
向き。
 そこへ、NTTの人からLANをアダプターでUSBに変換する方法を教え
られたら、そりゃあ、一も二もなく飛びつくでしょう。
 ところが、Macでも使えるアダプターを買ったのに、Mac用のCDは同
梱されておらず、インターネットからドライバーをダウンロードせよと
は、インターネット接続目的で購入した私はどうすりゃいいの。
 メーカーに掛け合い、例外的に、ドライバーを解凍した状態のをCD
に焼いて送ってもらえることになったが、その間、無駄に日が経つ。
 しかも、ようやくドライバーをインストールしても、やっぱりインタ
ーネットに繋げない。
 再び、アダプターのカスタマーサービスに電話。
 それから、プロバイダー。
 振り出しに戻ってNTT。
 電話で相談するたび、指示された方法を試すが、解決できずに虚しく
時が過ぎ去るばかり。
 再度来てくれたNTTの係員に光回線の問題ではないと確定されると、
私はすぐにも新しいパソコンを購入したい。
 保障期間後で、修理は値段が高すぎて、論外だったのだ。
 が、
無線LANという方法もありますよ」
 新たな方法を示唆される。
 アップルも、試してみる価値はあると言う。
 もし、無線LANは回線のスピードが若干落ちるという特性を聞かされ
なければ、懲りずに試していたかも。
 それにしても、すごいなあ。
 パソコンだと、すぐに買い替えよ、とは誰も言わず、なんとか今のを
使い続けられるよう、知恵をくれようとするのだから。
 たまたま今回は、その親切が仇(あだ)になったけど。
 でも、感謝です。
 今、一応、インターネット環境は取り戻しました。