フランスへは船便?!

 フランスの友達何人かと、誕生日にプレゼントを送り合っていた。
 それを合意でやめたのは、プレゼント探しに頭を悩ますようになったから
だ。少なくとも私はそうだった。
 だが、その後も、一人の友には、彼女が喜んでくれそうな物が見つかった
ら、送っている。
 彼女への恩。
 もちろん、恩を受けた時に彼女に感謝を伝えたし、彼女は、
「そんなの、友達なら当たり前」
 と言ってくれたから、私が勝手に送る誕生日プレゼントにそんな思いが乗
っていると知ったら、困惑されるだろう。
 でも、
「あ、これは彼女に贈りたい」
 と思う物に出合ったのに、その思いを握り潰したくない。
 送付の準備を始めた。
 荷造りの前に、郵便局のホームページで送り状を作成する。
 前回このページに入ったのは去年の十一月末だった。別の知人とはクリス
マスプレゼントを送り合っていて、それはまだ続いているのだ。
 その時より、見やすくわかりやすくなっている。
 いいねえ。
 と思ったのも束の間、国際小包も小型包装物も、船便しか選択できない。
「料金・日数を調べる」のページで調べたら、航空便も出てくるのに。
 電話で問い合わせた。
 すると、「料金・日数を調べる」のページは一般的な内容であり、実際に
は、飛行機の減便やら何やらで、航空便受け付けが可能なのは、三日ほどで
先方に着くEMSのみ、との返答。
 仕事の書類でもあるまいし、そんな馬鹿高い送料を払うほどの熱意はない。
 船便ねえ・・・。
 海上のどこかで紛失されそうなイメージを持つ。
 それでも、もし、それほど日数がかからないなら、船便もありかも。
 電話で話しながら「料金・日数を調べる」に目を走らせると、日数が書か
れていない。
「フランスは公表していないんです」
 はあっ。
「ほかのヨーロッパの国へは二~三ヶ月とあるので、そのぐらいだと思いま
す」
 安易に言って、大丈夫ですか。
 私は、こと、対フランスとなると、お人好しではいられなくなるのだ。国
として公表しないのなら、公表しない理由があるはず、と読むのである。
 なんにせよ、今回は誕生日カードだけ送ろう。
 これは普通に航空便で送れるよね。
 それも一瞬疑いそうになったけれど、無事、送れると、手紙やカードはま
だ大丈夫なんだと、「まだ」という言葉を挟んで安堵することになった。
 昨日までの当然は、今日の当然を保証しない。
 身をもって学ばされるのは辛いなあ。
 でも、また、その当然は復活するよね。
 願わくばクリスマスシーズンまでに。
 無理だろうな。