拒食と過食かも

 冬は冬特有の症状に悩まされることがある。
 かかとのひび割れは定番。
 だが、今年の冬、左の足裏が痛いので、見たら、横に一筋、五センチほ
どの長さで皮膚がぱっくりめくれている。こんなの初めて。
 右手にも異変。
 指の関節は、まっすぐ伸ばしてちょうどいいよう、曲げた時はその部分
の皮膚がたるむ。ところが、右手の中指の皮膚は、中に何かが注入された
ようにぷくぷく。薬指も。
 小指がそうなりかけた時、素人考えで、たるみの中に何かが集結する前
に撃退しよう、と一心にこすったら、内出血して、今も若干色が残ってい
る。
 この症状。思い出せないが既視感がある。
 あ、しもやけ・・・。
 そう言えば、右手の薬指の爪が生えてくるすぐ下の皮膚も、なんか赤い。
 先週は、鼻の奥にスーッとするような金っけのある独特の嫌な匂いを感
じた。
 記憶の底を探り、アレルギーが発症した時感じる匂いだと思い出した。
 外から帰ると鼻がぐずぐずするので迷わず漢方薬を飲んでいたが、飲ま
ない判断をしていたら、まずいことになっていただろう。薬を飲んでも嫌
な匂いを感じるのだから。
 薬がまだあるからではないが、先日はアレルギーの定期診断に行きたく
なかった。体組成計で体を調べられるのが、嫌。
 案の定、体重が今までで最高の数値だ。
「この頃帰宅が遅くて、そんな時間に食べたら駄目だとわかっているのに
食べてしまうんです。おなかは空いていないのに。ストレスですかね」
 自己分析できていればいいというものではない。
「きのうは五つに切ったロールケーキの一切れだけのつもりが全部食べて
しまいました」
「それは、あかんわ」
 医者が言うが、私自身、話していて、やばい、と思った。
「調べたらいろいろ出てくるだろうけど、まあ、飲んでみて」
 漢方薬を二種類処方された。
 インターネットで調べたら、神経症、心身の興奮状態を鎮める、小児
の夜泣きや疳の虫、引きつけ対策、などなど。
 ・・・。
 でも、十ヶ月間で六キロ痩せ、それから今までの五ヶ月間に九キロ増。
 拒食と過食の輪にはまっていたのだろうか。
 真面目に薬を飲もう。