性格が人生を作る

 あすの夜、友と会う。
 友とその妹。
 妹さんとは初対面になるので、泣く泣く髪を切った。
 私は顔が丸くて、天然パーマ。
 ロングが似合うと言われたことは一度もない。
 まあ、確かに、ロングは冴えないが、ショートにした途端、髪の毛が
自由を謳歌し始め、くるくるりんと好きに巻いてくれるおかげで、絶壁
ではなく理想的な丸みの後頭部であるかのごとき錯視まで生み出してく
れて、ありがたい。
 わかりました。私はショートが似合うのね。
 が、突発的にロングを目指したい時が来る。
 今度こそは似合うかも。
 性懲りもなく夢見るのは、「やればできる」「効果がゼロの努力はな
い」などの発想が通用しそうに思うから。
 しかし、顔の造りという根源を変えずして、違う結果はあり得ないの
だった。
 それでも、このところ、またもやロングヘアへの過渡期を迎えていた
のだが、初対面の相手に一番素敵な私を印象付けたいという自己愛をね
じ伏せるだけの強さはなかったわけである。
 妹さんには、長年付き合っている彼がいる。
 友の目には単なる腐れ縁と映る。
 で、妹さんと彼の占いを頼まれたら、怖いぐらい当たっていると妹さ
ん自身が驚嘆する内容だったらしく、占った私への好奇心を掻き立てら
れた妹さん込みで会う約束となった次第。
 人は皆、性格的に偏りがある。
 同じ事態に遭遇しても、反応や受け止め方は人それぞれ。それが性格
の癖、偏りであり、正解というものはない。
 ただ、妹さんの星の配置は極端で、素人の私が観てもはずれそうにな
く、その意味で占いやすい人だった。
 一緒にいてラクな相手とは相性が良い。
 でも、結婚は人生が絡んでくるから、それだけでは踏み出せない。
 妹さんが二の足を踏むのもそこに理由があるが、いっそ、ほかの相手
を探そうとすると、今の彼以上に気の合う相手はいないと思いとどまっ
てしまう。
 考え方の癖を少しでも変えられたら、合う相手も変わってくるのだろ
うけど、そこをいじるのは、結構、大変。
 今の自分を否定することになるからというより、自分自身が根こそぎ
変わることへの本能的な恐怖心であろう。
 だけど、性格って、そう簡単には変わらない。
 何度チャレンジしても叩きのめされる手強さは、きっと、私のロング
へアへの負け戦(いくさ)の比ではない。
 なので、やってみる価値はあると思うんだなあ。
 それで性格は変わらなくても、生活に新しい風が吹くかもしれないか
ら。