占いで一番無意味なこと

 私は占いが趣味。
 始まりは、なぜ、という疑問だった。
 金を払って占ってもらうと、当たっていると思う時とそうでない時があ
る。
 でも、それでこの占い師は当たる当たらないと言うのではなく、なぜ私
はそう言われたのか。そもそも、その根拠がわからないのに、ご神託をあ
りがたがるように主体性なく言われた言葉を受け入れることはできない。
私はそんな風にできている。
 占い本を何冊か読む。
 すると、抽出できるものが集まった。私にはそれで十分。
 ただ、星占いは誕生時のチャートは一つで、それをいかに読み解くかと
いうすっきりした話になるが、四柱推命は流派により、少し専門的な言葉
を使うが、蔵干の中に含まれる通変星が変わる。それが変わると鑑定内容
が根底から変わる。
 ややこしい。
 が、習いたくても、まず、その流派を選ぶ自分なりの理由が必要で、で
もそれがないから素人、となると、やっぱり独学になる。
 私は、自分の性格を自己判断して、こちらの方が合っていると思った鑑
定法を選んだ。もちろん、友人知人の命式でも検証。
 そんな私は、たまに友達から占いを頼まれる。
 去年、頼まれて占い、結果を渡したあと、その友から、実は前に町の四
柱推命の占い師に見てもらったら、こう言われてショックだった、と聞か
された。私はそのことには触れていなかったが、ならば言おう、と傷口に
塩をすり込むようなことを追加で伝えた。
 一応免疫ができたようなので、注意点として知らせておいた方がいいと
思ったのだ。
 そして、その占い師に興味を持った。
 ある日、見てもらったら、通変星の見方は私と同じ。これからどうすべ
きかについての見解も。
 そういうのは初めてだったので友達に話したら、三人が三人とも見ても
らいたがり、私は同行して占い師の言葉を書き留め、パソコンで清書し、
友に渡した。専属のにわか秘書である。
 おかげで役得があった。四柱推命の鑑定法で今まで不明瞭だったことが
納得できた。しかし、んん・・・と感じる点もあった。
 何年かぶりに学びの虫がうずく。
 インターネットの海に果敢に飛び込んだ。
 私は、あまたの玉石混淆の中から正統を手にすることはできるのか。
 と、笑わされる言葉に出くわした。
「占いで一番無意味なのは、私の性格はどうですか、という質問だ」
 おおっ。なるほど。
 でも、今の自分や環境に鬱屈する時、まずはそれを知りたくなる。
 そこに原因があると思うからだろう。