命を削って生きている

 前回、タイトルを書く際、「休みに似たり」であっているかなあ、と
不安になり、調べた。手っ取り早くインターネット上だけだが。
 それは「休む」が正しいとわかったが、「アホの考え」が出てこない。
「へたの考え」がもともとで、それが「馬鹿の考え」に変化した、とい
うところまでで終わり。
 しかし、我が土地では「アホ」という親しみやすい言葉が選ばれたこ
とは容易に推察がつく。よって、安堵して書いた。
 近頃、私の心に響いた言葉がある。
「人は命を削って生きている」というような意味のことをゲッターズ飯
田が書いていたのだ。私達は、時間ではなく、命を、魂を削っているの
だと気づかないといけない、と。
 誰にも寿命がある。限りある時間だ。それが刻一刻と減っていくのが
生きるということ。
 そんな貴重な時間を自分のために割いてくれる相手がいたら、感謝し
かないが、自分自身のためならば、考えている振りをするばかりで行動
しなくてもいいかと言うと、それほど自分自身を冒涜する行為はない。
 石橋を叩いても渡らなかったり、迷い続けることも多い私は、初めて、
駆り立てられるように、これではいけない、と感じさせられたのだった。
 嫌な事をしている閑はないし、すべき事はさっさとすることである。
 先週、ひさしぶりに後鼻漏(こうびろう)になった。アレルギーが再
発したようだが、漢方薬はもう何包も残っていない。
 翌々週の診察予約を翌週に変更してもらった。
 ところが、寝る時、首のあたりがなんか寒い。
 右耳の中がクチュクチュ言うのは昔からだが、それがひどくなり、痛
くて、何かをする時には手で押さえないといけない。
 土曜日は歯医者の予約であった。定期的な歯のメンテナンスだが、口
を大きく開け続ける自信がなくて、翌日の予約を先に伸ばしてもらった。
 夜、寝付けなくなっていたが、それでもなんとか寝入ったその夜のこ
と。
 明日は土曜だなあ、週末に症状がひどくなっても医者は休みだ、無駄
足になるだろうけど耳鼻咽喉科に行っておいた方がいいかも、と眠りの
中で思考が降りてきた。
 私は、大切なことは、なぜか夜の眠りの中で閃く。ガバッと起きたら、
夜中の三時。
 その病院は早朝から電話とインターネットで予約が取れるはずで、今、
時間があるうちにその説明書きを確認しておこう。
 あった。
 それを読んでから、朝まで眠り、受付け時刻にインターネットで予約
した。
 十三番。
 悪くない順番だ。
 だけど。
 私は、これまでと違う行動を決意した。