即決できた

 良き運がほしいなら、日頃から「気づく」ことが大切。
 私の場合、埃が多い。
 ホコリ。
 同じ読み方でも「誇り」とはえらい違いだが、ひそかに溜まり続けて
いた結果を突然目撃して「うっ」となることがある。
 でも、その時見なかったことにすると、次からは目が素通り。
 ということは、気づいても気づかない振りをするのも、あり。
 だが、気づくという現象に、これは好ましくてこれは好ましくない、
という差はない。それを自分の都合で気に入らないことを無視し続ける
と、せっかくの気づく能力が退化し、何事にも鈍感な自分になって、最
高の運が差し出された時に同じ鈍感さで見逃がすことなる、と私は感じ
ている。
 インターネットで商品を見ると、その後の数日間、別のサイトを見て
も、画面の片隅にその商品が立ち現れる。押しつけがましくていつも苦
々しく思っていたが、昨夜、ペンタトニックスの広告が出た。
 私はふらふらとクリック。CD新発売の広告だったので、好奇心に負
けたみたい。
 日本発売のみ、かつ期間生産限定版CD『PTXVols.1&2』が出た
そうな。
 自分ではとんとCDを買わない私が去年珍しく買った『PTXVol.1』
の全曲が入っているので迷うが、過去のCDにはない曲が収録されてい
て、心惹かれる。
 インターネットで購入する際、本当にそれを購入していいのかと何日
間か自問する私が、きのうはほぼ即決。
 ぐだぐだ考えて決断できないのは、迷うことを熟考と履き違えている
だけで、決断力のない人間の特徴だとか。
 私にはそういう傾向がある。間違った判断をして、あとになって悔や
みたくないという欲深さゆえのようだ。
 でも、実は、どっちに転んでも大差ないんだよ。だって、自分にとっ
てあり得ない選択肢は初めから排除しているはずだから。
 だから、短時間で決断するよう心がけよ。直感が研ぎ澄まされ、ます
ます正しく即決できるようになる。
 な〜んだ。きのうのことは、CDの存在に気がついた、さあ、どうす
る、という良き運への対応ではなくて、決断力の問題だったのか。
 しかし、考えるまでもなく買うつもりなら即決できる自分を確認した
と見るなら、「きのう、インターネットでCDを注文した」という一文
で済むことにこれだけの文字数を費やしたことになる。
 ともあれ、七月三十日発売のCDを二日後に注文するというような早
いタイミングは初めてで、これには自己陶酔。
 けど、インターネットのおかげとは言いたくないんだなあ。
 矛盾の自覚はある。