熱中症計? 温湿度計?

 五月の新型インフルエンザ騒動は、私の中で「温湿度計を買おう」と
いう決意に結実した。
 私は、喉がウイークポイント。
 ヘアサロンに入店すると、五分間ほど咳が出続け、「空気が悪いです
からね」と店員に同情されるので、咳イコール風邪の前兆、とは限らな
い。
 が、風邪を引きやすいのも、また事実。
 大気が乾燥すると、風邪やインフルエンザにかかりやすくなるという
ことで、私が英語を教えている保育園では、冬場、加湿器を使っている。
 本当に効果はあるの。
 疑う前に、まずは湿度を正確に把握することだろう。
 すると、冬はまだ半年も先なのに、デパートの文具売り場を通りすが
る際、いつも視界に入っていたのが温湿度計だったと発見。
 保育園でも、私の目の位置の棚に、温湿度計。何度か落ちたらしく、
表面にひびが入っているが、その存在を認識したのは初めて。
 ちょっと、めげた。
 園長が、
「今度買いに行く時、買ってきてあげようか」
 見るからにチャチだが、五センチほどの小ささは、場所塞ぎにならず、
狭い私の部屋には良さそう。
 けれども、日本気象協会が〃携帯型熱中症計〃を販売するという情報
を得て、購入依頼を撤回した。
 温度と湿度がデジタル表示されるところは、温湿度計。ただ、熱中症
の危険度が五段階で表示されるというのに、興味が惹かれる。
 六月二十六日の発売初日。
 独占販売のオンライン『てるてる君ショップ』で、最後の送信ボタン
を押すが、それ以上、画面が進んでくれない。
 日本気象協会に問い合わせると、「私達はウェブサイトにも入ること
もできなくて、どうしてかなあって言っていたところなんです」。
 今、「熱中症」は重要なキーワード。
 しかも、テレビやネットであれだけ予告しておきながら、需要予測が
甘かったのか、アクセスが集中しすぎてサーバーがダウンしたそうな。
 七月に入ったら複数個購入が可能、と告知が出たし、七月十日には、
電気屋のオンラインショップでも購入可能、と新たに告知が出たもの
の、「売り切れ」の文字が大きく輝くばかり。
 オンラインシステムの根本問題が解決していないのか。フル生産して
も需要に追いつかないのか。はたまた増産体制を取る気がないのか。
 日本気象協会はほうっかむりで、消費者は置き去り。
 さすが「財団法人」・・・?!
 ところで、私は、熱中症計がほしいわけではなかった。
 目が醒めて、時計型の温湿度計を買いました。