繁盛しないわけがない

 カナリアのピィが脚に炎症を起こしたのか、止まり木に血の跡がてん
てんと付いている。でも、乾き始めているので自然に治まるだろうと思
っていたら、数時間後、その箇所をくちばしでつついて一層出血が激し
い事態を引き招いている。
 慌てて動物病院に電話した。そう言えば、初めて電話したのは、前の
カナリアが同じように止まり木に血の足跡を付けた時だったなあ。
 開業告知のチラシに同じ町内の住所とフリーダイヤルの電話番号が載
っており、鳥は対象外かも、と思いつつ、連れて行くなら近さは魅力で
電話したら、歩いて五分の距離。しかし、やはり鳥は専門外。ただ、獣
医師夫婦の奥さんの方は鳥の病院にも勤務していて、今日はそっちなの
だが、折り返し電話をさせます、と夫先生が手はずを整えてくれた。
 その時は電話相談で済んだ。
 今回は、くちばしでつつくという困った症状があるし、奥さん先生の
勤務日と聞けば、診てもらいたい。でも、私は出かける時間が迫ってい
る。すると、診察するのが一番なのだがと言いつつ、アドバイスをくれ、
またまた電話相談だけで解決した。
 彼らの、特に奥さん先生の親切さは、鳥が専門ではないという引け目
から来ているのだろうか。でも、それならば、専門外ということで突っ
ぱねればいいし、私のために、信頼できる鳥専門医に電話相談OKとい
う道筋を付けてくれる必要もなかった。
 結局はサービス精神なんだろうなあ、専門知識を出し惜しみしない。
 だから、本当に診察が必要になった時、私は奥さん先生を頼ったし、
今もまずは奥さん先生、だ。
 ところで、前のカナリアを連れて初めて通院した際、私は、聞かれも
しないのに、ホームページに駄目出しをした。病院へのアクセス、こま
めな更新の必要性……。犬・猫がメインなら放っておいても繁盛しそう
なのに、そうなっていないことが、人のよい獣医師夫婦のために歯痒か
ったのだ。
 さて、電子メールで電話相談へのお礼を伝えようと久方ぶりに見たら、
好き放題を言った私の言葉を受け止めてくれたとわかるホームページに
変わっていて、「褒めてもらえて嬉しいです。内容の薄さを心配してく
れていたことは覚えています」と返事が来た。
 スタッフが増え、ブログまででき、アクセス数も良好の模様。
 自分のことのように嬉しかった。