封筒を破る郵便局

 先月、私は郵便局の仕事に呆れた。
 追加発行のいろどり年賀は、予約の未対応に当てるのみ、と答えた郵
便局。
 追加の入荷があると言っていた郵便局は、行ったら、時すでに遅しで、
これ以上はないと断言。
 寒風吹きすさぶ十二月十五日過ぎ、どちらの露店にも、いろどり年賀
と熊のプーさんが並んでいた。
 曰く、「予約をキャンセルされた分なんです」
「えー。絶対ないって言うから、ほかで買ったのに」
「すみません。でも、僕らも売りづらいんですワ」
 二度の追加入荷が実現した郵便局は、一体、どんないきさつがあった
のやら。
「ないない」と騒いでいた私を知る友は、いろどり年賀を入手できたら
しく、私宛に使ってくれたが、これで、私は嘘つきになっちゃったね。
 熊のプーさんのは、私から送ったけど、誰からも来なかったのが軽い
優越感となったので、郵便局のことは、もうおしまい。
 と、叔母から電話があり、話の最後に、実は今まで黙っていたけれど、
と前置きして、私の便箋の折り方を変えてくれないかと言われた。私か
らの手紙は、毎回、封筒のどこかが破れて届くそうな。
 一度など、破け方が尋常でなく、郵便局に電話したら、訪れた局員が
名刺も渡さず封筒を持ち帰り、後日、弁明に現われると、「機械に通す
から、そうなるみたいです」
 封筒は「捨てました」
 手紙を持ち帰るなら預かり証を渡すのが常識だろうに、それをしない
どころか、無断で処分したですとォ。
 それが信書の扱いを収入の糧とするプロのすることですかい。
 だけどねえ。
 機械に通すと破けると知りつつ、厚みのある手紙を通し、破けたら、
「破けて済みません」の半ペラを封筒にペチッと貼り付けて事足れりと
する神経からして、丁寧な仕事より、人手のなさを機械で補うことを優
先する企業姿勢が丸見えで、これで、どう信用できると言うの。
 叔母への手紙は、枚数多くて封筒がふくらむと言えど、規定内の厚み。
ゆえに、切手を買う際、窓口で忠告も拒否もされたことがない。
 なのに破かれ、でも郵便局のせいじゃないし、一通たりとも破けない
よう改善する気もないらしく、毎回、半ペラだけペチッ。
 いつからか、私は日本の郵便局も信用できないと感じ、フランスに小
型包装物でプレゼントを送る時、わざわざ余分にお金を出して書留にす
るようになったのは、きっと正解よね。
 郵便は、こんなにも不安。
 だから、ねえ、叔母さん。パソコンのメール送受信、勉強してくれま
せんか。