いつまでも、とは思わずに

 写真はパソコンで見るのみ。
 友達には、電子メールに添付して送る。
 だが、母と母の友人には、手に取って見られる形で渡す必要がある。
 色調や傾きなど修正すべきは修正したのち、CDーRWに焼いて店に
持って行き、はがきサイズで注文。値段は若干高くなるが、パソコン画
面で見慣れている私にはそれが許容できる最小の大きさなのだ。もらっ
た人も大きい方が嬉しかろう。
 支払い時にオンライン登録キャンペーンのカードを渡された。
 登録したら、無料で、写真を10枚、Lサイズで現像してくれるそうな。
 私の中では却下のLサイズ。
 が、「無料」の餌に釣られて、登録してしまった。
 店で注文する際、サイズによってはオリジナルの写真の上下か左右が
切られるが、どうトリミングするかは、自分で店頭の機械を操作して確
定しない限り、店の人任せとなる。
 でも、自分のパソコン上だと焦らずにできるし、注文後三十分ほどで
プリント完了のメールが届いて、全てがすいすい。
 って、インターネット上に極力個人情報を放出しない決意はまたもや
あっさり反故かい、私。
 ま、いいか・・・。
 方針転換ではない。そうできるうちはまあいいか、ってこと。
 私は、食料品などの買い物もクレジットカード。
 現金の出納帳をエクセルで作り、しっかり管理していても、月末に赤
字か黒字が出現するのが気に喰わなくて、そういう不明金をなくしたい
のだ。
 でも、歳を取ったらどうしよう。
 今はクレジットカードの引き落とし内容を一つ一つ照らし合わせてい
るけれど、そういうのが面倒、あるいはできなくなる日は来るだろう。
 それに、突然死んだら、毎月カードから引き落とされている支払いを、
誰が、いつ、止めてくれるのか。
 そう考えると、買い物は現金、写真や本は紙、月々の支払いは、ポイ
ントがつくなんてせこい事に心奪われず、届いた請求書を持って現金で
支払いに行くのが賢明、と思えてくる。
 私の脳に異変が生じたら、一番最初に誰かに気づいてもらえるはずだ
から。
 それを日常生活の後退とみるのであれば、その程度の後退で死ねたら
御の字だろうなと想像していたら、案の定。
 終身保険の保険料未払いが莫大な額にのぼっているという。
 死ぬまで契約が続く保険なので、契約者が高齢となり、死亡、転居、
認知症発症等の理由で保険料を請求しなくても、そういう情報が把握で
きずに放置されるせいだとか。
 老い支度は早い目に。
 けど、それまでは、パソコンもケータイも何でも堪能し尽くせばいい
のかも。