インターネット広告

 パソコン上でどこかのサイトにアクセスすると、そのサイトの片隅に
広告が出ることがある。
 なんでこの広告なの、とイラッとさせられるが、商品を検索したら、
その後、何日間もしつこく、その商品の広告を見せられるのと比べると、
私という人間の嗜好を読み切れていない当てずっぽうの広告内容の方が
ずっとほほえましく見えてくる。
 で、インターネット広告で知ったペンタトニックスのCD発売である。
 その広告が視界の端に見えた途端クリックしたおかげで注文に漕ぎ着
けられてよかった、と感謝の念が湧いてくるのは、彼らの最新CDの情
報は公式サイトを見るのが一番だと私は信じ込んでいて、まさか、そこ
に掲載されない、日本でのみ発売かつ十月三十日で発売終了となるのC
Dがこの世に出るとは想像だにできず、もし万一その広告を見ることが
なければ、その特殊なCDの存在に永遠に気づかぬままだった可能性は
あり、前回のブログで、すぐに購入できたのは決断力の証しだと結論し
たけど、私の見ているサイト上に偶然広告が立ち現われてくれた好運の
おかげだった、とみなすべきだと思えてきた。
 というのは、その広告は、あとにも先にもその時限りだったのだ。
 ただ、ソニーの高級コンパクトデジカメDSCーRX100 No.3
の広告が載ると、その初代カメラを愛用している私は、そうか、もう三
代目の後継機種が出ているのか、とその広告をクリック。その後しばら
く、その広告を目にすることになった。
 もし私がペンタトニックスの最初の広告で購買行動に出ていなければ、
やはり何度も広告が現われ、「さあ、買わないかい」と視覚に迫ってこ
られることになったのだろうか。私は、過去に彼らの『Vol.1』の
CDをパソコン上から購入している。
 その購入履歴が、実は、広告選択に反映されたのだとしたら・・・。
 ゾッとするなあ。
 インターネットのからくりがよくわからないと、単純に不気味に感じ
る。
 なんにせよ、インターネット上に極力無駄な情報入力をやめるのが得
策であろう。
 が、『プレモノ』というなんの略かよくわからないサイトから二種類
のキャンディーの値引きクーポン券を入手した。
 それぞれ先着一万名、つまりは早い者勝ち。その中の一人に余裕で入
れたという事実から、私はかなり早い段階でそのサイトにアクセスした
とわかる。
 思いと行動の、この乖離。
 警戒すると言っていながら、インターネット時代の理想的な鴨ネギに
なっていないか、私。
 心配だ。