ただほど高いものはない

 キンコン西野ツイッターを読んだ時、
「連日走り回ってくだっている吉本興業外部のスタッフさんに対しての吉
本興業の対応がナメ腐っていたので、会社ごとガン詰めしました。しっか
りしろ!」
 の「吉本興業外部」にモヤッとした。
 彼は、絵本制作は分担制だとか、
「世の中には自腹でもプロジェクトに参加したい人がいる」
 ので、そういう人にも参加してもらうことがある、などと語っている。
 私は、彼の音声配信とブログを読んでいたことがあり、彼は何でも話す
人、と思っていた。
 でも、外部って、代表取締役から取締役になっても彼の会社の株式会社
NISHINOのことなのよね。
 ならば、その小さい会社のスタッフが滅私で働いても当たり前。
 そこを指摘されたくなくてぼかしたのだとしたら、計算尽く。それに、
普段の彼の饒舌から誠実な人と思っていたら、この言葉に首を傾げても、
読み流す人は多いだろう。
 ところで、彼のスタッフは、正当な対価を支払われているのかなあ。
 彼は日頃から、
「お金には興味がない」
 と公言。
 生活費は若い頃とほとんど変わらない。残りは全部、次の大きなプロジ
ェクトに注ぎ込む。
 すごいね。
 でも、上がこう発言すると、下は自分も生活費に困らなければいいのだ
と勝手に思い込まされそう。
 しかも西野は独身。二十四時間、仕事に当てられる。
 とは言え、彼に集まる者達は「やり甲斐」の高揚感があれば、金と時間
を捧げられるのかも。
 が、普通の人はそうはいかない。
「捕まっていないだけの詐欺師」
 と言った千鳥の大悟の方が共感できそう。
 退所後すぐ、『毎週キングコング』で、その動画は吉本の提供なので、
相方の梶原が、西野は今後はゲスト扱いになるのかなあ、と問題提起した。
吉本の寄席然り。 
 すると、西野は言った。
「本音はギャラはいらない」
 梶原と一緒に漫才できるのが楽しいから、それでいい。
 これには先輩芸人達が反撥。そりゃそうだ。
 アメリカの推理小説で、報酬は安くていいと主人公が言ったら、
「そんなことを言う奴は警戒されるぜ」
 と警告された。
 そういうことだ。
 身内同士に悲惨な殺し合いを強要した事件は、頼ってきた被害者に、当
初、気前よく振る舞った加害者が一転、恩の回収に乗り出して、極悪非道
な事件に発展したのではなかったか。
 それはさておき、もう一つの疑問。
 西野のビジネスモデルを使えば、どんな本や映画もヒットさせられるの
かなあ。