旅は個性

 今朝、初めて、ツクツクボウシが鳴いた。
 光も白い。
 もう秋だ。
 日中は三十五度越えなので信じられそうになくても、光の白さは紛れもな
い。
 立秋は、今年は八月八日だった。
 四柱推命占いも二十四節気に立脚しているので、立秋後に生まれたら八月
生まれでも秋生まれになる。
 現状に合わない古さのままだと思っていたけど、自然の光だけは異常気象
などにも左右されず季節を反映しているから、二十四節気は今も正しい、と
気づいた。
 そして私は夏バテかも。
 たっぷり寝て起きたのに午前中からなんか気怠くて、昼ご飯を食べたら、
テレビを見ているうちに目が閉じ、二十分ほど寝てしまったし、ついさっき
も、目を開けていられなくて、二十分ほど寝た。
 一日に二度というのは我ながらショックで、でも、夏バテということなら
仕方ないと思えるから、夏バテだといいなあ。
 テレビを見ると、人々は夏を満喫している真っ最中だ。
 花火、海水浴、山登り・・・。
 そういう人達の様子を見て、はやりの事や場所は自分も体験したい人なの
か、それとも、したい事が明確にあり、旅行と言えばこれ、これだけでいい、
という人なのか、どっちかなあと思う。
 五月と七月にフランス人が日本に来たが、五月に来た人は、昼は持参した
弁当や買った物を戸外で手早く食べ、それ以外はずっと歩き続けて一つでも
多くの場所を訪れたい人だった。
 七月に来た友は、湯豆腐を筆頭に、幾つか明確に希望があった。
 インターネットの時代とは言え、詳細な現地情報までは入手できないこと
があるし、検索の言葉の入れ方一つで得られる情報が変わってくるので、私
は選択肢が増えるよう最大限の情報を提供した。地図をPDFで取り、そこ
に説明を書き入れた方が理解してもらいやすいと思えばそうする。
 一度作った資料が使い回せたらいいのだが、同じ土地を訪れる場合でも、
人により、見たい場所、したい事がかくも違うのであったか。
 かく言う私も、オフピステを滑れるようになるまでは、海外旅行はヨーロ
ッパアルプスへのスキー旅行のみで、そのうち付き合ってくれる友はいなく
なった。
 現地のスキー学校に入るが、学校と言っても、ゲレンデが広すぎるので、
滑れば技術が上がるという発想のようで、同じレベルの人達を集めたグルー
プが教師に先導され、ひたすらゲレンデを滑りまくる。
 名所旧跡は、ただ来た見たで終わる自分だとわかるので、興味が持てなか
ったのだ。