サマータイムは先進国の条件?

 ヨーロッパとアメリカは、今、夏時間。その時差の方が好都合なので、
一年中サマータイムならいいのに、と思う私。
 ところが、日本もサマータイム制にしようという動きが、まだ、続い
ていることをウェブのニュース記事で知った。
 小泉前首相が自民党参議院のパーティで「時計の針を変えるのが面倒。
やりたい企業だけ勝手にやれば」という趣旨のことを述べたそうな。
 なんたる慧眼(けいがん)。
 だって、お日様の有効活用と言われても、緯度が低い日本では、日没
の時刻が早く、一時間遅くなったぐらいでは残業が増えるだけになりそ
うだし、一方、朝は朝で、縦長の地形のせいで、北と南で日の出時刻に
二時間ほど差があり、サマータイム制が導入されたら、明石より西に住
む人達は、毎朝、きっと、ヘロヘロだろう。
 電気やクーラーの使いすぎが抑制されて温暖化が防止できるという見
解には、発光ダイオードの登場で大幅な節電が可能になったから、早く
一般化させましょうよ、と切り返せばいい。
 でも・・・。
 かような意見の応酬は、理屈には理屈で立ち向かうべし、と考える生
真面目さの為せる技であって、実行するのはアナタや私、という視点に
立てば、人間性を鋭く見抜いた「面倒くさい」ほどの正解がないことは、
すぐに理解されよう。
 もしサマータイム制が導入されたら。
 会計時の時刻が印字されるスーパーマーケットやレストランのレシー
トはもとより、社会基盤の要となっているシステムのすべてが、夏時間
に切り替わった瞬間、新たな時刻を正確に刻むよう設定されなくてはな
らない。
 冬には、逆の作業。
 考えただけで目眩がしそうだが、人件費を含めて、それはサマータイ
ム推進派の経済界のお偉いさんが責任持って解決してくれる、としても。
 家庭にも、パソコンや電化製品など、結構な数のデジタル時計はあっ
て、かつ、日本は老人大国なのである。
 自分では変えられないので、冬時間のままの時計を使い、頭の中で一
時間時計の針を進める芸当で対処しているつもりが、「え、三時? 今
は二時でしょ。え、違う?・・・」と頭が混乱することが重なると、物
忘れイコール老化現象という嫌な予感に恐怖が走り、却って脳がその通
りに老化することが、ないとは言えないだろう。
 まあ、そんなことをあれこれ考えているよりは、「私には冬時間で話
してね」と先手を打つ仲間を増やしておけば、安心かも。
 第一号になる気満々の私です。