引き寄せの法則・日常版

 きゃー。これって引き寄せの法則やん、と思うことが起こった。
 まず、それを書く。
 発熱下着に開眼させられて、発熱下着以外で理想の冬の下着を探し始
めた私は、ふと、手持ちのアウトドアメーカーの服に付いていた説明タ
ッグを見直してみた。すると、吸汗速乾や保温性など惚れ惚れする機能
がこれでもかというほど入っているなあと改めて感心させられる。
 そのメーカーのホームページを見たら、吸汗速乾素材で保温性もある
という身体にぴったり添う下着がある。前からあるのは知っていたが無
視して、それ以外に何か、と思うのは、身体の蒸気で温かくなる発熱下
着という刷り込みから思考が完璧には離れられないからかもしれない。
 下着でなくカットソーだが、断熱性に秀でた疎水性素材と、気化熱を
調節するウールの二枚仕立ての商品に心が惹かれた。機能だけ見れば、
下着にしたくなる。
 じゃあ、下着として着てみて、肌あたりとかが良くなかったら、服と
して着たらどうだろう。
 さらに探す。
 すると、今期物と同じ素材の旧製品がアウトレットのページに出てい
る。嬉しいことに、私は襟ぐりはこっちの方が好き。まるで、ほしい方
を安く売ってあげますよと言われているようなものではないか。
 買っちゃおうか。でも、できれば現物を見たいし、試着もしたい。
 店で頼んだら取り寄せてくれるかも。
 普段はそう思っても実行するまでに時間がかかるが、冬の下着に関し
ては、考える時間を奪われすぎている気がして、さっさと決着したくな
り、翌朝一番でデパートへ。
 そのブランド・コーナーの入口にワゴンが出ている。セール品がある
んだ。あれ。もしかして。
 近づいてきた店員に品番を書いたメモを見せ、一緒にさぐったら、や
っぱり、その物ずばりが出てきた。
 その日から三日間だけの特別セールだとか。店員は、私が決然とした
足取りで来たので、百貨店のホームページにセール告知でも出ていたの
かと思ったそうな。
「いいえ」
 単なる偶然。私自身にも信じられない成り行きになっているだけです。
 だが、こうなったということは、運命からの「行け〜」サインだ。
 わくわくして、店員にセール品の女性物Lサイズを全部出してもらっ
た。
 それらを見比べ、試着もして、取り寄せてもらうつもりだったのに決
定。ただし、色は、考えていたグレーだとやっぱり私は顔色が沈むと店
員にも言われ、深い紫色にした。
 試着できたからこその納得。
 しかも、ホームページのアウトレットよりさらに安かった。