夫婦の対等

 海外ドラマは、『マスケティアーズ』を見て、はまった。
 でも、たまたま、これだけ、と思っていた。
 ところが、ロシア女帝『エカテリーナ』、スペイン女王『イザベル』、
古代インド英雄伝『ポロス』、そして今はハーレムの話『オスマン帝国
伝』を見ている。
 どのドラマも突っ込みどころが満載。
 何十年後の話になっても俳優達は若いまま。親子と言うけど全然そう見
えない。膨大な制作費がかけられるのなら、実世界における私達の認知力
で理解できる範疇まで特殊メークで現実に近づけてよ、と言いたくなるし、
主人公が衛兵に見つからずに敵に近づけるなんて、都合よすぎる。あり得
ない。
 ただ、『イザベル』で、産声をあげたばかりの子と産んだ母親が血まみ
れなのは、あ、普通はそうか、と思わされた。
 城や衣装は、その時代、本当にそこまで華麗だったかなあ、と疑わしい。
が、見る分にはやっぱりその方が楽しいから、これには異を唱えない。
 あはっ、一貫性がありませぬ。
 私は、国王が宝石じゃらじゃら、というのに目が釘付けになる。
 もし前世があったのなら、私は男が宝石じゃらじゃらの国にいたのでは
ないかと思うぐらい、ただもう大好き。
 しかし、もちろん重要なのは話の筋だ。
 欲望、裏切り、妬み、駆け引き・・・。
 誰にでもある感情の絡み合いがあやなす物語。
 でも、西洋のドラマはエグい。強烈。
 そうかあ。人って、こんなにやすやすと人を陥れるんだ。
 自分の目的あるいは大義のために。
 その際、情などという不確かなものではなく、相手がそうするしかない
よう追い込む手段を駆使する。その狡獪さは、西洋ドラマの方がわかりや
すいし容赦がなくて、私は、つい見入ってしまうのかもしれない。
 星占いでは、夫婦のことは契約を表わす第七室で見る。
 恋愛を見る第五室の暗示が良くても、結婚しても幸せ、とならない所以
だ。
 愛は無私、なのだろう。
 でも、結婚したら取引きの側面が強くなる。
 対等は、素のままではあり得ない、と言い換えていいかもしれない。
 駆け引きや交渉、契約により、なんとか対等に持ち込む。
 友達が離婚した。私の交友関係の中で初めての事例だ。
 ニホン人の夫婦は、妻が夫の給料を管理し、夫は妻から小遣いをもらう、
とすり込まれていたけれど、そうとは限らない、と知った。
 夫と妻の経済格差は、夫婦関係にも影響する。
 ある意味、気が抜けない、ということか。