楽しければ、成功する

 テレビを見る。高齢者が出てくる。溌剌としていたり、寝たきりだっ
たり。そういう人生の先輩達に、歳をとっても足腰が丈夫って結構重要
みたいね、と学ぶ
 だからだろうか。私は、室内自転車にダンベル、足首につけるおもり、
バランスボール、レッグマジックを持っている。
 ジムは、通うのが面倒くさいけど、これなら、時を選ばない。
 ところが、レッグマジックは、脚を左右に開く動作を補助してくれる
器械で、結構場所塞ぎなのだが、これをしないと部屋を出入りしないこ
とにする、と心に決めて、ドアの手前に置きっぱなしにしたら、一週間
と経たずに、見ないふりして素通りできる私になった。
 それでも、気が向いたら、これらの健康器具を活用するおかげか、何
もしていない友達よりは長く歩いても疲れない体力を保持できている模
様。
 が、体重が落ちない。
 何事も、「ねばならぬ」「頑張る」という心構えでは、絶対成功しな
いと予言できるのは、理屈でそうすべきだとか、そうした方がいいと納
得しても、心がそうすることを「いやだ」「つらいなあ」と感じるせい
らしいが、だったら、変だなあ、私にそんな強迫観念はない。
 体重が落ちてきて、お、いいゾ、と思う。あるところまで来ると、こ
のラインを越えるのも時間の問題よね、と思う。期待に胸が高鳴るほど
だ。ただ、「そう、うまい具合にいくかなあ」と懐疑する気持ちも同時
に芽生えて、結果、いつも、そこではじき返され、体重が増える。
 ちょっと疑うというのも、〈成功しない〉ための極意になってしまう
のだろうか。
 確かに、「そううまくいくかなあ」と不安になる気持ちは、「そうな
らない方がいいんじゃないの」という意識を裏に隠し持っている。
 それをするのは、ワクワク、楽しいですか。だったら、絶対成功でき
ますよ。
 シンプルなる真理。
 でも、心底、楽しいと思えるようになるって、なかなか難しい。
 ボーリングとエクササイズにはまって十キロ痩せた信州の友達が眩し
く見えるわけだ。彼女は、ボディビルダー並みにおなかが割れて、筋肉
質に生まれ変わったとか。
 私は、基本的には今の私の体力で悪くないと感じているところが問題
かも。体重が減ってくると、運動のし過ぎだと脳が判断して、体重が元
に戻るのを歓迎する深層心理になるのではないか。
 ただし、現在、体重が、あってはならないラインを上越えしたままの
理由は、わかっています。ストレスのせい。
 修理に出してもう十日。iMacよ、早く戻ってきて。