2012-01-01から1年間の記事一覧

覚悟(フランス旅行記)

私の友人知人であって、マダムDには初対面。なのに、会話が始まる と、マダムDが蕩々(とうとう)と自分のことを話し出す。 みんな、興味がないから、聞き役になる。 やがて、彼女のブルジョワジー出身のパワーが言葉の端々に現わてき て、ますますよろし…

勇気(フランス旅行記)

「昼食が終わるのが二時過ぎだなんて遅すぎる」 昼食後に近場の観光地に向かう車の中でマダムDが癇癪を起こした時、 私はそれほど彼女に共感できなかったが、さらに先にある海辺の観光地 に着いた時には、ちょっぴり彼女と同じ気持ちになった。 その町に昔…

今幸せなら、たぶんOK(フランス旅行記)

メールやSkypeで親交があったマダムBと違い、ムッシューBとは、 家に泊めてもらう日が初対面。 だが、パリからの道中、マダムDが道に迷って、私がB夫妻宅に着い たら夜の九時。ムッシューBは私の到着に合わせて、そんな時刻に夕食 を準備中。 恐縮して…

それでは嫌われる(フランス旅行記)

今回の旅のアッシー君、マダムDは、彼女の言葉とは裏腹に、ブルタ ーニュで私が友人宅に泊まっても、私が彼女と一緒に行動できるチャン スは多々あると期待しているらしいとわかって、 「えーっ」 そして、私の友達ということで、彼女が毎日マダムB宅の食…

喪中(フランス旅行記)

マダムBは、友達のおかあさん。 友達が日本に住んでいた時、夕方六時や七時に彼女を外食に誘うと、 毎回、 「日本は夕食が早すぎる。うちでは早くても八時だったわ」 と言われた。 現在、彼女はロサンゼルス在住で、会えなかったが、おかあさん宅に 泊めて…

友達の友達は、みな友達(フランス旅行記)

マダムDは、海辺の町の貸しアパルトマンを予約する直前だったが、 最後の一泊が満員で取れない、困った、と言うので、私は、私が泊めて もらうマダムBとムッシューLの住む町に限定して、インターネットで 見てみた。 貸しアパルトマンも農家民宿も選び放…

ニホン人は金持ち(フランス旅行記)

実は、初め、私は十二日間のフランス旅行を予定していた。 が、友達のおかあさん、マダムBに、 「そんなに短いの」 と言われた。 「たった十泊じゃない」 えっ。 旅行は、移動日数を差し引いた宿泊日数で考えるのがジョーシキなの か。 まあ確かに、どの家…

言わなきゃ伝わらない(フランス旅行記)

今回、ブルターニュでは二軒の家に泊めてもらった。 最初に泊まったのは友達のおかあさん、マダムBの家。 まだ会ったことはないが、彼女との方がメールもSkype電話も頻繁 かつ濃密になっている。 友達は、結婚して、夫の仕事でアメリカ在住中。 私は、マダ…

モンサンミシェル(フランス旅行記)

以前、モンサンミシェルにパリからTGVで行った時は、一泊したの に、修道院をさっと見て回っただけの記憶しかなかったので、今回、L 夫妻宅に滞在中、連れて行ってもらえたのは嬉しかった。それも案内ガ イド付き。 「こんなにガラ空きなのは初めてだ」 …

ドライブイン(フランス旅行記)

今回、私は旅の大半をブルターニュ地方で過ごしたが、パリから片道 四百キロ以上の往復を、マダムDがアッシー君になってくれた。 途中、昼食やトイレ休憩のためにドライブインに立ち寄る。 初めてのドライブインでは面食らったなあ。 え、こんな所にニホン…

アペリティフ(フランス旅行記)

ブルターニュ地方は私が初めて住んだ場所で、ムッシューLは、その 時、私の上司だった人。 今回、彼の家に行くと、 「誰か会いたい人はいるかい?」 と聞かれた。 彼も当時の職場を去って久しいので、私の来訪をダシに昔の仕事仲間 と再会しようと閃いてく…

トイレ(フランス旅行記)

久しぶりのフランスで、勘が鈍っていたのかなあ。 パリの空港に着き、まずトイレに行った。荷物を受け取る前の方が身 軽だから。 日本女性が個室のドアを開けようとしているところだったが、彼女は、 開けたドアをパタンと閉める。 「中の人は鍵をかけていな…

両替(フランス旅行記)

フランスに行くなら、ユーロ。 いくら持っていこう。どういう形で。 友人宅を泊まり歩く私に、彼らがお金を払わせることはないだろうか ら、私がお金を遣うとしたら、朝市などでみやげを買う時ぐらい。 小銭がいる。 別の言い方をすると、クレジットカードで…

航空券と座席指定(フランス旅行記)

パリ往復の航空券は、出国する二ヶ月ほど前に航空会社のサイトで購 入した。 すでに前日、代理店に電話して予約してあったが、その価格の根拠は なんなのか。 「そうだ。航空会社のサイトを見てみよう」 と閃いたのだ。 航空運賃は、搭乗日と搭乗便の混み具…

それでも一人旅(フランス)

フランスに行ってきた。 パリからTGV(新幹線)で三時間半ほどのブルターニュ地方に住む 友人宅を泊まり歩くのが目的。 飛行機は夕方着くので、すべてが順調にいくと見るなら、その日のう ちにTGVに乗って現地まで行きたいが、飛行機が定刻に着くのか…

選択するというストレス

ささやかなことでも、自分の意志で決める。 そこに人としての自由があり、幸せがある。 人生の重大な場面ではなおさらのこと。 しかし、 「こうしろって決めてくれたら、そうします」 占った直後にお客さんからそう言われることが多すぎ、嫌気がさして 占い…

独身が重宝される時

最近知り合った友達と、互いに仕事の途中に、道で出くわした。 彼女は新婚、三十二歳。 「不妊治療をしている」 と聞いていたけど、タイミング療法を初めて三ヶ月で妊娠して、今、 妊娠五ヶ月目だとか。 「おめでとう! じゃあ、治療しなくてもよかったのか…

塾ありきの学校教育

久しく会っていない友が、 「中学の長女に勉強を教えてほしい〜」 と年賀状に書いてきたので、冗談まじりだろうと思いつつ、連絡を取 って再会したら、案の定、二つも塾に通わせているそうな。 以前、別の友達と話をした時も、同じようなことを言っていたな…

嬉しかった年賀状

年賀状っていいなあ、と思うことがあった。 「同窓会の時に住所をもらったのに、気がついたら、年を二回越してし まいました」 のひと言と共に、中学時代の友から年賀状が届いたのだ。 二年前の冬、彼女は同窓会に出席するため関東からやって来た。 遅刻寸前…

選べる自由

年末にフランスの友人とSkype電話をしたら、私の声がぶつぶつ途切 れて聞きづらいと言われるので、喋りながらSkypeのバージョンを確認。 以前にも、私の声が、途切れるどころか、ボアボアくぐもってほとん ど聞き取れないと言われたことがあったが、その直前…

年賀状の功罪

元旦の朝、年賀状の配達があったら、次は一月三日。それまで配達は なし。 と思っていたら、昨夜七時過ぎに郵便配達員が小包を持ってやって来 た。 そんな遅い時刻に。しかも元旦。 クリスマス前にもやっぱりほぼ同じ時刻に郵便配達員が別のフランス 人から…