2010-01-01から1年間の記事一覧

カセットの威力

デジカメの液晶画面がブラックアウトするようになったのは、私がそ ういう設定にしたからだと、メーカーに問い合わせて、判明した。 六年前は、撮影にはファインダーが使えるのだから、液晶画面を消す ことで少しでも電池の持ちを良くしたいと考える人が結構…

「ファインダー」という奥の手

二年前、出雲を旅した。 六十年ぶりの遷宮で、出雲大社の御本殿が特別拝観になったからだ。 同じ趣味の友達が見つからなくて、一人旅。 写真はもっぱら風景写真。 それでも、山深くの須佐神社にまで足を延ばした二日目、SDカード の容量が足りなくなり、不…

1GBのSDカード

幼い頃に住んでいたアパートが取り壊され、その一帯が再開発される らしいと友から連絡があったのは、今年の初め。 彼女は、結婚後もその町に住んでいる。 「桜も全部切り倒されるそうだから、よかったら、桜の季節に来ない?」 「じゃあ、ついでに、通って…

似合う帽子

先月来日したフランス人の友は、四月なので桜を期待したようだが、 それには到着日が遅すぎる。でも、吉野の奥千本の桜は見頃だろうと、 一緒に奈良に旅行する一日を吉野行きに当てることにした。 何年か前に買ったままの山歩き用リュックがようやく出番だ。…

一ヶ月前の豆腐

フランス人の友と小旅行に出かける前日。 スーパーで豆腐を買った。 その友の観光に付き合うし、夜はインターネットで列車やバスの時刻 を確かめるために時間を取られ、普段にはない肉体的・精神的疲労が押 し寄せるが、それに対抗すべく私の体が欲するのは…

素敵な十代

フランス人の友が来日し、神戸の三宮駅で降りたら、偶然、その改札 口が生田(いくた)神社に一番近い。 なのに道に迷った。 関西の人間なら絶対あり得ないことが、私に起こってしまったのだ。 神戸は久方ぶりだとしても、ここまで土地勘がないとは、あまり…

私が桜の花を撮ると

桜の枝が揺れたら、鳥がいる。 鳥が花の蜜を吸うなんて、知らなかった。 まあ、ウグイスをメジロだと長年信じていたような私だからなあ。 これに関しては、花札の「梅に鶯」のウグイスがメジロに瓜二つで、 本物のメジロを見たことがない私は、そのデフォル…

買う時は、夢見る

物を大切にするとは、物の寿命を全うさせてあげる、ということにな るだろうか。 寒いさなかの十二月に小豆を買ったはいいけど、一度に全部煮て冷凍 しようと予定しながら、実行できぬまま春を迎え、穀象虫を湧かせた私 は小豆に申し訳ないことをしたことに…

春は、虫

台所の白いラックの一番上は、私専用。 インスタントコーヒーの瓶を取り出そうとしたら、扉に黒くて小さい 虫が張り付いている。 紙で取って捻りつぶし、扉を開けると、コロンと死んでいるのや生き ている仲間が二、三匹。 米粒ほどの身長で、背中がぷっくり…

筋肉の貯金は尽きていた

奈良、東大寺のお水取りが終わるまでは、暖かくなったようでも、春 は先。 しかし、あすは春分。桜も「観測史上」の冠付きで開花報告が始まっ た。 今年、私はお水取りに行けなかった。去年の十一月には、はやばやと 宿をおさえていたのだが。 旅の二週間ほ…

筋肉は恥ずかしがり?!

来月、フランスから友が二人来日する。 一人は仕事が目的で、ほとんど東京で縛られることになるが、もう一 人は完全に私的な旅行。わざわざ時期を合わせた二十日間ほどの旅なの に、彼女の飛行機はパリ〜大阪の往復便。以前、京都に一ヶ月ほど滞在 したこと…

ある店員との別れ

そのショップは、ミセス対象のフロアにある。 豊満体型をカバーしつつファッショナブルというコンセプトが見て取 れるデザインや色を、通りすがりにちらっと見て、お世話になるのはま だ先ね、と無視する寸前、スポットライトに照らされた淡いサーモンピ ン…

正論? いちゃもん?

今日で、今年の六分の一が過ぎたことになる。 「ひゃあ、時間の経つのがどんどん早くなるゥ」と感じるなら、立派に 歳を取っている証拠だとか。 人は歳と共に新陳代謝の速度が鈍るが、それを正しく自覚することが できない。 で、生命の回転速度が時間の速度…

リコールとまではいかなくても

前回「水道の蛇口」と書いたのは、正式には「水栓」と言うそうな。 知っていれば、「キッチン用水栓」の「ハンドシャワータイプ」と書 けたのにな。 それはともかく、我が家のは、蛇口に繋がるパイプが根元から左右に 大きく動くタイプ。 のはずが、九年前、…

ああ、決断力

誕生日にプレゼントを交換し合うことはほとんどなくなったが、フラ ンスの友達とだけは続いている。 私の誕生日が彼女のよりちょっと先に来る。 今年は、もらう前から中身がわかっていた。 フランスの男性シンガーソングライターのCDだ。フランスのニュー …

愛語で、自分をバージョンアップ

英語の家庭教師先に、夜の七時半頃、自転車屋さんが来た。 その家の母親が勤めから帰って来た頃を見計らって代金の回収や修理 に来てくれるらしく、その日の目的は小四の末っ子の一輪車の修理。 彼女は英語が終わっていたので、コートを羽織り、自転車屋さん…

愛語

「ダンナから背中が広くなったと言われて、傷ついた」と友が言ったの を受けて、「なんで、そんなこと言うかなあ・・・」と、その場にいな い友達の夫を私が批難したのは、友が初めに「普段は無口なダンナ」と 断りを述べたからだ。 これがもし、普段からお…

言葉は手強い

友は、高校時代に母親を亡くし、過去三回の出産は一人で乗り切った が、四人目の男の子の出産を目前に、実の妹に協力を頼んだ。 妹が、二歳の長女と八ヶ月の次女を連れてやってきた。出産を機に専 業主婦になっていて、下の子ももうそれほど手がかからない。…

怒りの完全制御は、修行なり

怒りは、どんなに正当な理由があっても、持ち続けるほど炎が煽られ、 その分だけ自分自身の清らかな心が毒にまみれる。自分の心が一番ダメ ージを受けるから、すばやく手放すべきなのだ。 が、前回、私がかなり理想的にそうできたのは、相手が、私の今の人 …

怒りは、すぐに手放す

みたび、同窓会の話になるが、私が撮った写真は、室内なのにフラッ シュをたかなかったため、手ぶれ写真が予想以上に発生した。八分の一 というシャッター速度のまであった。 二秒後のセルフタイマーにすれば、シャッターを押す指の動きで手ぶ れするのを防…

あなたが、そこにいてくれるだけで

新年が始まったが、中学の同窓会の話を続けたい。 その日、私はデジカメを持参した。 コンパクトデジカメは、レンズの明るさに限界がある。 けど、室内で内蔵フラッシュをたくと、人の顔が白飛びする。 それが嫌なら、フラッシュ厳禁。 するとシャッター速度…